「とりあえず退職して転職先を見つける!」
「貯金があるのでしばらくは失業保険受け取ってニートしながら転職活動する!」
「衝動的にやめてやった!転職はこれから決める!」
「最高の転職求人が見つかったので資格取って転職する!」
このように退職してから転職活動を始めるという人がいますが、出来ればやめておいたほうがいいです。
なぜなら、以下のようなケースで転職先に妥協してしまう人が多いから。
- 仕事を辞めた解放感から自由に遊ぶ(失業保険も受けとれる)
- 貯金が残っているので半年以上遊ぶ
- 半年経って初めて転職活動を始める
- 常日頃から求人情報の確認や面接対策を行ってなかったので落ちまくる
- 貯金が減って焦りが出てきて転職先を妥協してしまう
見切り発車で「転職先なんてどうせすぐ見つかるだろう…」と思って辞めると、マジでニート・フリーターコースまっしぐらです。
「自分はそんなことない!」
そう思っている読者もいるかと思いますが、本当に転職先が決まる前に辞めるのは危険ですよ。
・無職期間の抗いがたき誘惑
- 平日休みで好きな時間に寝起きできる優越感
- 仕事のストレスにとらわれない自由
- 何もしなくても貯金と失業保険で当面は食いしのげる安堵感
こんなものが用意されて、堕落しない人間はいません。
もっとわかりやすく言うと、働きながらも休日に勉強・キャリアアップ・自分磨きと言った、いわゆる”自己投資”に時間を費やさないで、ダラダラ過ごしている人は確実にニート化します。
…と言っても”ガチのニート”を経験したことがなければ、イマイチ想像しにくいと思います。
そこで今回は、以下に転職先が決まらないまま仕事を辞めることが危険か、皆様にお伝えしてまいります。
関連:転職先が決まらない理由と見直しておくべき全知識|中途採用されない、仕事が見つからないで辛い・不安と感じたらやっておくべきこと
とりあえず仕事辞めると無職期間に怠けてしまう
仕事を辞める際、何かから逃れて自由になりたい一心で辞める人はかなり多いと思います。
もちろん、転職の動機として「こんな職場からは逃げたい!」という理由はありです。
ただし、そのままの意識で無計画に辞めてしまうと、無職期間にだらけてしまうリスクがあることは忘れてはいけません。
以下、私が見てきた「転職先が決まる前に辞めた人の特徴」です。
・無職期間にだらけてしまう人の特徴
- 夏休みの宿題を最後まで貯め込むタイプ
- 台風で学校が休みになって喜ぶタイプ
- 地震が来たら休業にならないか期待しちゃうタイプ
- 掃除や片付けなど、日課を毎日守れないタイプ
- 納期前に毎回ドタバタするタイプ
- 土日は二度寝してしまい、自己投資に時間を使ってこなかったタイプ
以上のようなタイプの人は、絶対に無職期間になると怠けます。
しかも、怠けるだけならまだしも、重い腰を上げて転職活動をしだすも、まったく採用されないリスクもあります。
そうして心が折れてしまい、条件の悪い求人やアルバイトや派遣社員で妥協してしまう人もかなりの数います。
そうなったら最後「こんな仕事就きたくなかった…」「辞めなければ良かった…」と後悔するハメになるのです。
これが世間一般で「転職は失敗する」と言われる由縁でもあります。
つまり、無計画に辞めてしまう人がそれだけ多いということです。
耐えられない!”無職”という罪の重さに!
「無職」「ニート」というのは、もはや”罪の十字架”みたいなもんです。
なんといっても、無職は「世間体が悪い」。
私も無職期間がありましたが、その頃近所で泥棒があるだけで「容疑者候補として警察に聞き込み捜査される」なんて目にも遭いましたとも。
また、ネットで時間をつぶしていると「無職・ニートは~」だの心無い書き込みに、毎回心が凹むハメにもなります。
そうなるとドンドン自信がなくなってきて「あれ?転職先見つかるかな…?」と不安になってきます。
つまり、それだけ「正社員」「会社勤め」で得られる社会的な安心感は、かけがえのないものだということです。
「失って初めて気づく」ってヤツですね。
次が決まらないまま辞めると「空白期間」で不利になりがち
転職活動では、一般的に空白期間は不利になることはあっても、有利になることはほとんどありません。
ワーキングホリデーや資格取得などの前向きで計画的な退職による空白期間であれば、まだどうにかなります。
ただし、資格取得に関しては「それ、在職中に出来なかったの?」と聞かれたら最後、ほぼ返しようがありません。つまり、仕事を辞めて学校に通う必要がある資格でもなければ、まったく持って説得力がないということです。
他にも、空白期間は人事側からすれば、以下のような不信感を抱かれることになりがちです。
・経歴に空白期間がある場合に疑われること
- 「前の職場で何か問題があった」と疑われる
- 「計画性がない」と思われる
- 「失業保険受給」でずる賢く給料泥棒する人材だと思われる
- 下手に誤魔化すと「言い訳する人材」だと思われる
うつ病やブラック企業から逃げる場合ならともかく、余裕があるのに退職してから転職するのはどう考えてもリスクの方がデカイです。
転職活動の面接では、とにもかくにも「第一印象」が大事ですが、空白期間があるだけでマイナス評価がついた段階から始まってしまうわけです。
その結果、退職しなければもっと年収も待遇も上のキャリアアップ転職が狙えたにも関わらず、空白期間のせいで前よりも悪い条件の会社しか選択肢がなくなる結果になります。
とりあえず仕事を辞める前に転職活動した方が評価されやすい
転職活動では、単純に在職中の方が「意欲が高い」と評価されやすいです。
…というよりも、限られた時間で今の仕事と並行して転職活動を進められる人のほうが、どう考えても意欲も高くて、要領もいい人材に思われて当然です。
- 在職中の限られた時間で転職活動を進めている人材
- 無職で時間たっぷりに転職活動を進めている人材
以上の条件で、まったく同じぐらいの経歴と能力の人材が来たとして、前者のほうが限られた時間の中で有効的なアプローチをしているわけです。どう考えても、前者が優秀ですよね。
転職活動ではついつい自分のことだけを考えがちですが「企業人事がどう判断するか?」「客観的に見て自分の価値はどれぐらいか?」を想定しなければ、受かるものも受かりません。
「すぐに働ける」は中途採用ではまったく武器にならない
また、転職先が決まる前に退職してしまう人に「すぐに働けるから有利!」と考える人もいますが、それは完全に誤りです。
人手の足りない会社や、日雇いの仕事であれば「すぐに働ける」は強みになります。
しかし、人手が足りていて長期視点での採用を見込んでいる会社ならどうでしょうか。
会社側も採用を慎重に検討するので「すぐ働きたい」「貯金が切れそうなのですぐに働かせてくれ!」なんて急かす人材、あまり欲しいとは思いません。
「すぐに働ける!」というのは、アルバイトや日雇い、あるいはフットワークの軽いフリーランスや派遣社員の考え方であって、正社員としてはあまりメリットにはなり得ません。
逆に「すぐに働いてくれ!」という会社ほど、人材使い捨て前提のブラック企業であることが多いです。
検討に検討を重ね、慎重に採用してくれる将来性のある優良企業に転職したいなら、やはり在職中に見つけるべきでしょう。
自身のモチベーション維持も兼ねて在職中が一番
また、在職中に転職活動をすることは今の仕事の不満やストレスを転職活動の動機にしやすいというメリットもあります。
「クソ上司に今日もムカついた!いい職場見つけて転職してやる!」というストレスが、転職活動に対する熱意に変わるわけですね。
一方で仕事を辞めてから転職活動すると「まあ、落ちても当分食いしのげるからいいや」と、甘えた気持ちが出てきます。
やはり、恨み辛み怒り不満を動機に背水の陣で転職してる人って”すごみ”が違うんですよ。
「どうせ働き口なんかたくさんあるし…」とヘラヘラした若者。
生活に困っていて、家族を養うために切羽詰まってる必死なおじさん。
どちらが仕事をとるために貪欲でかは、言わなくても想像できるはずです。
貯金そこそこ、失業保険も受けられる若手正社員が辞めたところで、半年間モチベーションを維持するのはまず無理です。
転職活動中に「今の職場が恵まれている」と気づけるメリットも
転職活動は「キャリアの棚卸し」「自分の人材価値の把握」「今後のキャリアプランニングの立て直し」という「反省・将来設計」という面もあります。
つまり「転職活動をすること」は必ずしも「仕事を辞めること」を意味しないのです。
今の会社が本当に自分に向いているかどうかを客観的に分析・診断した上で、新たなキャリア構築のために転職活動をする必要があるわけですね。
その過程で「いや、今の会社も悪くないし、思ってたよりも将来にも期待できそうだ」と気づけたなら、かえって今の仕事に対するモチベーション向上にもつながります。
逆に、先に「退職したい!」という目的に「転職するから」という理由をとってつける人は、当然ながら目的と手段が逆転してしまい、転職活動も上手くいきません。
辞めた後に「また働きたい」は最悪のパターン
さらに最悪なパターンが「転職活動が上手く行かないので前の職場に戻りたい」と後悔するパターンですね。
これはよっぽど優秀な人材でもなければ、前の会社に都合よく使われるハメになるので最悪です。
会社もバカではないので、一度辞めた人材を前と同じ給料や待遇で雇おうとは思いません。十中八九、以前の待遇からワンランク落として再採用し、以前と同じ仕事量を求めてきます。
なぜなら、その条件で呑んでくれるとわかりきっているから。
そうなったら最後、辞めた会社に以前よりも搾取される人生が待っているだけです。
しかも、上司や同僚からは「あの時、お前が辞めてから大変だったんだぞ」「辞めた裏切り者をまた雇ってやった恩を忘れたのか?」と事あるごとに話を蒸し返されたら、溜まったものではありません。
「今いる会社に残る選択肢」を確保しておくためにも、転職先が決まる前に退職するのはオススメできませんよ。
結論:次が決める前にとりあえず辞めるという考えは悪手
以上、紹介してきました通り、転職先が決まる前に焦って退職するのは「悪手」と言わざるを得ないでしょう。
ブラック企業でうつ病寸前・過労死秒読みの方や、先のことなどどうでもいいぐらいに「今!この瞬間!辞めたいッ!」という方でもなければ、計画的に辞めたほうが後々のメリットは大きいです。
一般的な社会人であれば、退社後の帰宅時間や休日の時間を活用すれば、現実的に転職活動は可能ですので、焦ることなく着実に進めていきましょう。
転職エージェントを活用して次を決めた上で辞めるのがかしこい
どうしても転職活動に時間が取れなかったり、すぐに辞めたい方であれば「転職エージェント」というサービスで、プロのアドバイザーに転職のサポートをしてもらうことを強くオススメいたします。
転職エージェントでは平均3ヶ月での転職が可能で、求人選びや職務経歴書作成・面談のアドバイスもしてくれるので、かなり効率よく転職活動が進められます。
しかも、転職エージェントは完全無料。
転職後の退職手続きや内定までの手続き、おまけに転職後のアフターフォローもしてくれるので、かなり転職がスムーズに進められますよ。
また、多くの転職を成功させてきたプロのアドバイスを聞けるので、年収アップ・待遇向上が見込める点にも注目です。
ただ辞めて新しい転職先を見つけるだけであれば、妥協すればどうにでもなりますが、年収アップ・待遇向上のための転職は、一度退職してからはかなり厳しくなります。
そうならないためにも、余裕のある今のうちに転職エージェントを有効活用して、かしこく転職先を決めてしまいましょう。