「嫌な仕事でも3年は続けろ」
「誰だって嫌々仕事をしている」
「みんな辛いんだからあなたも耐えろ」
「仕事は我慢が大事」
こんな風に考えて
悩んでいませんか?
世間では「嫌な仕事でも続けてみろ」などとよく言われていますが、この世には無理してでも続けた方がいい仕事と我慢して続ける価値のない仕事の両方があります。また、働く人のメンタルや適性によっても、嫌な仕事でも続けるべきか否かの判断は変わるものです。
当記事では、読者の置かれた状況によって「今の嫌な仕事を続けるべきか?」「それとも辞めるべきか?」の判断ができるよう、以下のような情報をお伝えしていきます。
- 嫌な仕事にはどういう特徴があり、どう感じて嫌になるか?
- 嫌な仕事を続けた結果、どういう末路が待っているのか?
- 嫌な仕事でも我慢して続けるべきか、辞めるべきかの判断ポイント
- 嫌な仕事から抜け出すために意識することや行うべきこと
「我慢して続ける」
「無理せずに辞める」
どちらの考えも知っておきましょう
「嫌な仕事」の特徴とは?
当サイトでは転職・退職に関する情報を日々収集していますが、その中でも多くの人が「嫌な仕事」と感じて辞めた事例でよく挙げられている特徴をご紹介していきます。
自分に適性がない・向いていない仕事
嫌な仕事の筆頭格と言えば「明らかに自分に向いていない・適性のない仕事」でしょう。
人間、誰しも個性や適性を持っていますので、どんな仕事にも「向き・不向き」は存在します。
今の仕事が本当に自分に向いているかどうかの判断は非常に難しいものですが、目安としては、
- 他の動機よりも自分に優れているところはあるか?
- 努力した分の結果が伴っているか?
- 上司や先輩から評価されて新しい仕事を任されているか?
…など、他者評価も踏まえておくことが大事です。
仕事では競争原理が働く以上「他人と比べて自分の方が優れている=その仕事に向いている」と言えるわけですから。
適材適所(てきざいてきしょ)
その人の能力・性質によくあてはまる地位や任務を与えること。
職場に顔を合わせるのも嫌なレベルで嫌いな人がいる職場
嫌な仕事の代表格と言えば、人間関係が理由で仕事が嫌いになるケースです。
アドラー心理学では「ストレスの原因はすべて対人関係にある」と言われています、仕事でも人間関係が主なストレス要因となることがほとんどです。
これは、たとえば以下のような例に思い当たる節はありませんか?
- 仕事自体は好きだけど、直属の上司や社長のせいで会社が嫌いになる
- 変なウワサや過去の失敗のせいで、不当に低く評価され、職場の居心地が悪い
- 上司のえこひいきが酷く、人事評価が好き・嫌いに寄りすぎている
社会では正当評価されるのなんて珍しく、複雑な人間関係や嫉妬などが絡むのが常です。
運悪く派閥争いや揚げ足取りに巻き込まれたら最後、その職場で不当評価されることも十分ありえます。
また、度が過ぎると「パワハラ」「モラハラ」「セクハラ」「職場いじめ」につながることもあり、そうなると仕事が嫌どころか、出社するのも苦痛に感じることもあるので、前向きに転職を考えておくのもありでしょう。
やりがいや意義が見い出せない仕事
嫌な仕事と言えば、やりがいや意義が見い出せない仕事でしょう。
仕事のやりがいや意義は自分で見つけ出すものではありますが、中には何の意義も見い出せない仕事も、少なからず存在します。
たとえば、
- どれだけ努力しても上司に手柄を横取りされる
- 仕事に工夫する余地がなく、昇給・出世の道も見えない
- 他人に恨まれることはあっても、感謝されることはない
…などの「見返りの少ない仕事」「やりがい搾取される仕事」「頑張るだけな仕事」というのも、残念ながら世の中には存在するのです。
働く中で「何のやりがいも意義も見い出せない」と悩んで、今の仕事に嫌悪感を感じているのであれば、自分の仕事に対する価値観を見直す意味でも、転職活動で自分のキャリアや考え方を整理してみる時期に来ているのかもしれません。
評価や反応が得られない仕事
仕事が心底嫌いになるのは、誰にも評価されないからでしょう。
仕事で「誰にも評価されない」と感じる瞬間
- 同僚や上司からもまったく評価されないどころか、不当に低く評価されている
- 誰からも褒められない・感謝されないため、やりがいを感じられない
- 上司や先輩から期待されていないどころか、見放されている
これが営業などの「数字でシビアに結果の出る仕事」や、技術系の「制作物がしっかり仕上げられる仕事」であれば、他人の評価なんか気にせずとも、実際の結果・成果で自分の実力は証明できます。
また、職場の人間や取引先に評価されなくても、昇給・昇進などの査定でしっかり応えてくれれば、口先だけの評価を気にせずとも済むでしょう。
しかし、そうでない「人事の判断で中々賃上げも出世も出来ない職場」「結果や成果が見えにくい仕事」というのは、他人から評価してもらえなければ、自信が持てなくなって自己嫌悪に陥りやすいものなのです。
「やらされている感」の強い仕事
嫌いな仕事…というよりも「思ってた仕事と実情が違いすぎる…」「こんな仕事納得できない…」と感じてしまうのが「無理やり”やらされている感”のある仕事」でしょう。
これは、
「求人票の内容があまりに実態と違いすぎる職場」
「企業側が事前に事業内容や仕事の内容を説明しないで採用した場合」
「そもそも、企業側が社員に説明しない理不尽な社風の場合」
…などに起こり得るケースで、早期離職につながる採用の事例でよく見られる傾向です。
この場合「会社側の事業内容・業務内容をしっかり事前に確認しないで入社してしまった求職者側」に非があるとも言えますし、企業側の「求職者には一切説明しないで理不尽に命令を下すだけの社風」にも問題はあります。
問題の根本は「仕事に対する認識のズレ」「会社側の説明力不足」にあると言えます。
この場合の対策としては、
- 採用者や人事、直属の上司に相談する(相手に話が通じそうな場合)
- 労働監査所に相談する(求人内容とあまりに実態が違う場合)
- 仲介業者に相談する(第三者の紹介を経て入社した場合)
…など、まずは相談しておくことです。
それでも問題が解決しなそうな場合は、残念ながらこちらが折れて嫌々続けるor退職するしか道はないのが実情です。
将来性や先行きが見えない仕事
仕事が嫌になる瞬間と言えば「将来や先行きが見えない場合」でしょう。
このご時世、先が見えない将来も不安なのは当たり前ですが、それでも企業や経営者には「従業員に先を見せる必要」や「社員に抱かれた経営方針の不安については、しっかり解消する」などの責務があります。
将来性のない会社については、以下の記事をご覧ください。
待遇や給料が最低水準にすら達していない仕事
嫌な仕事と言えば、待遇や給料が最低水準にすら達してない仕事でしょう。
待遇や給料が違法ラインに突入している仕事は、もはや「好き・嫌い」以前の問題です。
これは「名ばかり正社員」「名ばかり管理職」として、社会問題になることもしばしば。
どういうことかと言うと、
「正社員という肩書きだけ与えて、最低賃金はフリーター以下」
「正社員なのに社会保険がまったく充実していない(厚生年金の負担なしなど)」
「長時間労働させるためだけに、管理職として採用」
…など、法律の穴をついた悪どい運用をしている会社もあるということです。
仕事・経営ともなれば多少の不正や法律違反はどこにでもあるものかもしれません。
ですで、それで従業員の尊厳を踏みにじるような待遇の会社は、続けること自体が不正に加担しているようなものです。
体が拒絶反応を起こすレベルの仕事
嫌な仕事を続けると、場合によっては体が拒否反応を起こし「うつ病」「過労死」につながる事例も数多くあります。
嫌な仕事を続けた結果、体に起こる異変の例
- 慢性的な睡眠不足により、正常な判断が出来ない
- うつ病などの精神疾患を抱える
- 過度なプレッシャーから体を壊す
- 毎朝、出社するのが気だるくなり、最終的には体が動かなくなる
- 最悪、衝動的な自殺に走ってしまう場合も(過労死)
仕事を続けてうつ病や過労死につながるケースは、
- 自分で自分を追い込みすぎてうつ病になるケース
- 上司のハラスメント行為などの対人関係のストレスで病むケース
- 待遇面など、会社の労働環境が劣悪過ぎて体調を壊すケース
…の3パターンに分かれるのですが、嫌な仕事を続けながらどれかのパターンを抱え込むと、精神的にも弱ってしまい、体を壊してしまう可能性も十分ありえます。
嫌な仕事を続けるべきか?
以上のように、嫌な仕事を続けると精神的・肉体的に病んでしまうリスクがあります。
かと言って「今の仕事が嫌だから」だけで安易に辞めてしまうと、取り返しのつかないことになるもの事実です。
嫌な仕事でも待遇・年収が恵まれているなら続けたほうがいい
今の仕事が嫌な方でも、待遇・年収が恵まれていると感じるなら、とりあえず続ける方針で考えておくべきでしょう。
具体的には、
- 大企業クラス勤務で社会的信用度や安定性が高い人
- 上司や同僚からそれなりの評価をもらっている人
- 勤務期間が長いため、会社でそれなりに実績を得ている人
…など。
それがなぜかと言うと「転職しても、今の会社より嫌な仕事に就いてしまう可能性が高い」からです。
とくに「30代以降のキャリアを意識してこなかった人」の転職活動については「好きな仕事見つけ出すのではなく、自分の経歴や実績から出来る仕事を選ばざるを得ない」わけですので、実質的に消去法で転職先を選ばざるを得ないのが実情です。
逆に、20代であれば未経験職に就けるチャンスは大きいので、辞めないにしても転職活動で本当に自分がしたい仕事を見つけてみるのはありかもしれません。
20代(既卒・第二新卒)の転職についての記事
いずれにせよ「今の仕事が嫌だからと言って、次を見つけないまま辞めるのは悪手でしかない」のは間違いないので、出来れば続ける方針で考えつつ、転職活動をぼちぼち進めていくのがスマートで堅実的です。
辞める前に「休職する」という選択肢は考えておく
嫌な仕事を無理に続けて精神的に追い込まれている方は、休職することを考えておくのも手でしょう。
まずは会社の上司に相談して、休職させて欲しい旨を伝えておくことも大事です。
ただ、上司に相談しにくかったり、あるいは会社が休職者を認めないような社風の場合は、外部の組織に相談する必要も出てきます。
その場合、まずはメンタルケアのために、厚生労働省が運営する「こころの耳」に相談して、対応窓口を紹介してもらうといいでしょう。
転職エージェントに相談して自分に合った仕事を見つけておく
今の仕事が嫌でどうしても辞めたいのであれば、転職エージェントに相談して、自分に合った求人を紹介してもらうのもいいでしょう。
転職エージェントは無料で利用でき、仕事に関する相談から転職活動の実際の指導まで、総合的なサポートを行ってくれるサービスです。
今の仕事が嫌で辞める場合、冷静にプロから「転職すべきか?それとも今の仕事を続けるべきか?」という客観的判断を仰いでもらったほうが間違いないので、仕事を辞めて後悔したくないなら使っておきましょう。
転職エージェントを介して自分がやりたい仕事に出会えれば転職に前向きになればいいし、そうでなければ「他の仕事より今の会社の方がマシ」と振り切れるきっかけにもなるかもしれません。
いずれにせよ「今の仕事が嫌だから辞めた」と言って後々後悔しないためにも、早めに転職活動を始めておくに越したことはないでしょう。
ぜひ、転職エージェントを有効活用して、自分に合った天職を見つけ出すきっかけにしてみてください。