テレビ業界は将来性がないしなくなる?今後の映像業界は衰退傾向?

かつて「TV killed the Radio Star」と歌われたヒットソングがあります。

これはテレビの登場により、ラジオスターの人気が落ちた悲劇を歌にした曲として有名です。

そして今、テレビ業界はインターネットの登場により衰退していってる最中にあると言えます。

視聴者ですら、そのテレビ業界の衰退は肌で感じています。

「テレビ業界勤務だけど、将来性に不安を感じている…」
「テレビ業界の衰退を現場で感じている…」

テレビ業界勤務の方は、とくにこのように感じている方も多いのではないでしょうか?

将来性の不安が指摘されているテレビ業界勤務の方の中には、

「将来のために転職を考えておきたい」
「テレビ業界からの転職先を知っておきたい」
「テレビ業界勤務を続けるために現状の問題点を知っておきたい」

…という方も大勢いらっしゃるかと思います。

そこで当記事では、各経済誌や統計データを参考に、テレビ業界の今後の将来性について考えていきます。

参考文献

テレビ業界の将来性がないと言われる原因は?

  • 広告出稿先のネットへの移行
  • 下請け搾取構造によるキー局以下の消耗
  • 番組・コンテンツ制作力の低下
  • ネットでの動画配信サービスの増加
  • 関連事業(広告業界・芸能業界)なども衰退傾向
  • 業界の旧態依然とした体質・ブラックな勤務状況

広告出稿先のネットへの移行

テレビ局の主な収入源が「広告・スポンサーからの出資」であることは、業界のビジネスモデルに詳しい方なら、ご存知かと思います。

ですが、近年スマホの増加によるネットユーザーへの移行により、WEB媒体での広告出稿に積極的な企業や広告代理店が増えてきております。

ですので、今までテレビ局がほぼ独占状態だった広告シェアが、ネット媒体にも流れる結果になったわけですね。

※正確には、テレビ局以外にも「出版社(新聞・雑誌)」も含まれますが、相次ぐ雑誌廃刊など、テレビ局以上の大打撃を受けています。

下請け搾取構造によるキー局以下の消耗

テレビ業界の将来性が低いとは言いましても、依然として大手キー局レベルの社員は高年収、まだまだ一般人に対する影響力は強いため、漠然としない方もいるかと思います。

ですが、注目したいのは「キー局以外の、下請けのローカル局・制作会社が消耗している」という点です。

画像出典:「会社四季報」業界地図 2019年版

この構造を見て勘のいい方はすぐ気づくはずですが、広告出稿の絶対数が減っている中で、民法キー局が取り分・年収を維持しようとした場合、消去法で下請けへの発注費を減らすしか選択肢しか残りません。

そうなると、テレビ業界では以下のような現象が起き始めます。

  • 下請けの収入源が減るため、制作費・人件費もコストカットしなければいけない
  • 費用が減るため、下請けの番組制作力や人材レベルが上がらない
  • テレビ業界の下請け会社がブラックとなり人材が逃げていく
  • 制作会社のブラック具合が広まり、人が集まらない

いくらキー局勤務の社員の年収が高くてステータスがあったとしても、下請けや現場の人を大事にしなければ、それは後々ダメージになって返ってくるものです。

有名大学卒のエリート階級の多いキー局勤めの社員の中には、その程度のことも理解できないバカも、意外と多いものなのです。

テレビ業界の番組・コンテンツ制作力の低下

テレビ業界が衰退しているのは、番組制作力・コンテンツ制作力が低下してしまっているからでしょう。

以下のグラフは各キー局のゴールデンタイムの視聴率ですが、フジテレビとテレ朝の2社は年々減少しています。

画像出典:「会社四季報」業界地図 2019年版

要は、多くの人が「テレビ放送がつまらなくなった」「テレビ番組がくだらない」「大衆のニーズとズレている」と感じており、それが視聴率にも数字として出てしまっているということです。

テレビ業界の番組制作・コンテンツ制作力が落ちた背景には、前述の通り下請け会社が疲弊していることもありますし、テレビ局側のユーザーニーズを把握出来ていないという怠慢もあります。

また、最近ではテレビ局の競合相手でもある「ネット動画(youtube)」を全面的に引用して番組制作するなど、制作側にもプロ意識が欠けているとしか思えない番組も乱発されており、いかにテレビ業界のコンテンツ制作力が低下しているかがわかります。

ネットでの動画配信サービスの増加

テレビ業界が衰退傾向にあるのは、ネットでの動画配信サービスの増加が増えたことも一因でしょう。

これもスマホ普及に伴い、テレビメディアとの接触時間が減ってきている傾向が背景にあります。

画像出典:「会社四季報」業界地図 2019年版

以下のような有名動画配信サービスも、今や多くの国民がテレビの替わりに視聴することが多くなってきており、認知度も高くなってきています。

国内で代表的な動画配信サービス

  • YouTube
  • ニコニコ動画
  • Amazon Prime Video
  • AbemaTV
  • hulu

ただし、国内の動画配信サービスに関しては、キー局側が動画配信サービス運営会社の株式を保有する形で協力関係になっている点には注意です。

この構図を見ると「いかにテレビ番組視聴者を、スマホ動画配信サービスで囲い込むか?」というテレビ局側の戦略も見えてきますので、一概に動画配信サービスがテレビ業界に打撃を与えているわけではありません。

また、一度切りの放送を動画配信サービスで再利用することで、収入源を確保できるという意味では、テレビ局・番組制作会社側にもメリットがあります。

ただ、動画配信サービスをスポンサー事業として考えた場合、近年では「youtuber」「e-sports(プロゲーマー)」などビジネス展開が多様化しており、より広告ターゲットを合わせやすくなってきている点で、ネット動画配信サービスはテレビ局よりも優れます。

関連事業(広告業界・芸能業界)なども衰退傾向

テレビ業界の将来性が低く感じてしまう原因は、テレビ業界と深い関わりのある「広告業界(マスコミ業界)」「芸能業界」なども、衰退傾向にあるからでしょう。

とくに芸能業界に関しても、ビジネスモデルの在り方が問われる時代に突入してきております。

そもそもで言えば、芸能業界のゴシップネタなどはあからさまに関連業界内での身内ネタでしかなく、そのような低俗な報道を連日流し続ける時点で、いかにテレビ業界・芸能業界が狭い関係の中でしか仕事していないかが透けて見えます。

また、AKB48の人気化を見ればわかりますが、より個人・一般人寄りのタレントが求心力を集める時代になってきており、相対的に以前のようなマスコミ型の有名人・芸能人の求心力が弱まってきております。

「とりあえず、人気芸能人を出しておけば視聴率とれるでしょ」的な甘えた考えが通用しにくくなったことも、テレビ業界衰退の一因なのではないでしょか。

業界の旧態依然とした体質・ブラックな勤務状況

テレビ業界が衰退傾向なのは、旧態依然とした業界体質や、体育会系のブラックな働き方が続いていることも一つの理由でしょう。

これは間接的な原因として、考えないといけない問題です。

たとえば、テレビ業界勤務の方の不満としては、

  • 深夜残業が当たり前
  • 業界特有の異常な慣習があり、パワハラなどが許される環境
  • 取材・ロケなどで過酷な労働環境にある

…など、よほどテレビ業界に愛着がある人でなければ、続けるのが難しいブラックな環境であるとの指摘が見受けられます。

また、キー局は放送免許による既得権益により成り立っているため、お役所的な体質がある点も見逃せない事実でしょう。

実際、テレビ局側の「視聴者はこういう番組で満足なんでしょ?」「視聴者はバカだからこういう低俗な番組流しておけばいいんでしょ?」という意図は、透けて見えてきます。

そういった、キー局の殿様商売的な高圧的な態度も、視聴者離れを起こしている遠因だという意識を持たなければ、テレビ局の衰退は免れないはずです。

事実、フジテレビに敵対買収を仕掛けた堀江貴文氏も、今やネットでは多大な影響力を持ちますが、その背景には「古臭いテレビ業界主体の情報産業の構造を壊す」という思想が支持されている節もあります。

ネットメディアの登場や、個人の情報発信者が支持され出した背景には「テレビ局が信用できない・つまらない」といった、視聴者側のニーズも知っておく必要があるでしょう。

テレビ業界の今後の可能性は?

以上のように、将来性が不安が残り、衰退傾向も見え隠れしているテレビ業界ですが、今後の展望や可能性はどうなるでしょうか?

電波法利権があるのでキー局は当分は安泰

テレビ業界の中でも、キー局に関しては「放送免許」という圧倒的なまでのアドバンテージがあるので、当面は安泰でしょう。

参考リンク:放送利権|Wikipedia

これに関しては法律が変わらない限りは圧倒的にキー局が有利な立場ですし、政治・経済界にとっては放送内容をコントロールしたいという思惑もあるので、そう簡単には変わらないはずです。

ただ、前述の通り下請け以下の会社の番組制作力・コンテンツ力の低下に伴い、視聴者が離れていく流れは既に進んでいるので、キー局や経営者がどこまでそこを意識して経営判断が出来るかどうかが、今後のキー局の命運を分けると言ってもいいでしょう。

番組制作・映像制作は他事業への参入が鍵

テレビ業界の中でも、とくに今後の命運が分かれるのは「番組・映像制作会社」だと言えるでしょう。

テレビ業界の制作会社が今後考えておきたいこと

  • キー局からの受注に依存している会社だと、業界の衰退と共に疲弊する
  • ネット動画配信への参入など、テレビ局に依存しないビジネスモデルの構築
  • 以前のマスコミ的なやり方では通用しない、細かなニーズを拾い上げる努力

とくにキー局からだけの受注に依存している制作会社は、大元の広告出稿費が減っていく以上、新たな収入源や取引先を開拓しなければ、今後は衰退していくだけの未来しか待っていません。

下請け地獄のアニメ業界でも同様の問題点が指摘されております。

これはアニメ業界関わらず、テレビ局での放送に依存する限り、どの会社も直面し続ける問題です。

もし、読者がテレビ業界の中でも下請け側の会社に勤めているのであれば、

  • 自社の収入源はキー局だけに依存していないか?
  • テレビ局以外の販路開拓・収入源は確保できているか?

…など、会社の経営方針を把握しておき、将来性がないと感じたら転職活動をしておくなど、出来る対策をしておきましょう。

ローカル局は地域との結びつき・多角的な情報産業展開が必要

テレビ業界の中でも、苦境に立たされているのがローカル局です。

これも制作会社同様、大元のキー局の広告収入が減るわけですから、地方局も割を食いやすい形になります。

ローカル局も制作会社同様に、キー局の番組だけに依存しているだけでは、先細りしていく未来しか待っていません。

ですので、ローカル局だからこそ出来る、

  • 地方との強い結びつきをつくる
  • 地方住まいの住人に向けた番組制作力を身につける
  • 地方向けだけでなく、全国発信できるレベルの情報発信業者になる

…など、従来のビジネスモデルだけに依存しないことも重要です。