本質的なスキルが身につかない会社
私が考える辞めた方がいい会社の特徴3つ。その一つが「本質的なスキルが身につかない会社」だ。
「本質的なスキル」とは?
「本質的なスキル」と言っても、具体的にどのようなスキルなのかわからない読者も多いと思う。
そこで、私の実体験、そして8年に以上に渡る当サイトの運営経験から持つ転職市場の知見より「何が本質的なスキルか?」を解説していこうと思う。
本質的なスキル1:”自分でどうにかする能力”のこと
本質的なスキル第一位。それは「自分でどうにかする能力」であると断言したい。言い換えれば「どこに行っても通用するスキル」のことだ。
「人生百年時代」「大企業でも先がわからない時代」と言われる中、最も将来が安定するのは「どんな環境でも適応できる、自分でどうにかする能力の高い人」だろう。
逆を言えば、人生詰んでしまうのが「一つの企業でしか通用しない=他の企業では通用しないスキルしかない」ような人だ。
本質的なスキルが身につかない例
たとえば「レジ打ちが早くできるのが特技です」みたいな人は、レジ打ちがすべて機械で精算できるようになってしまったら、価値のない人材に成り果てる。
あるいは「社内の人間関係に詳しく上司に重宝されてる」「会社のどこにどの書類が保存してるか暗記しているので仕事が早いのが強み」みたいな人は、社内環境が変わると通用しなくなる確率が高まる。
ダラダラ考えなしで同じ会社で働き続ける人ほど陥る罠なので、恐ろしい。
本質的なスキル2.市場価値の高いスキル
本質的なスキル第二位。それは「市場価値の高いスキル」だ。
市場価値とは、自分のスキル、経験、実績などが、転職市場においてどれだけの需要がありどれくらいの年収相場が期待できるかの指標だ。
たとえば、20代の若手なら経歴や能力問わずに、まともな会社に就くだけで平均年収の300~400万は期待できる。
さらに、IT系の仕事ならそこに「リモートワーク対応」という条件もつけられるし、スキルや経験次第では「20代で年収500万以上」「マネジメント経験があれば年収1000万クラスも視野に入る」など、さらに条件が良くなる。
これは一重に「市場価値が高いから」だ。
市場価値は「他の多くお企業も欲しがる人材か?」で相場が決まる。
要は「あなたの労働力をこれだけの年収相場で買いたい」と思う企業が多ければ多いほど、市場価値は高まるのだ。
市場価値が高いスキルを身につければ身につけるほど、転職市場でも条件を選びやすかったり、多くの企業から声がかかるので選択肢が広がるなど、メリットは多い。
一方で残念ながら「市場価値はそんなに高くないのに、長年勤め続けているというだけで相場以上の年収をもらってる人」というのもいる。
たとえば、自分は仕事をしないで下に仕事を押し付けてばかりの管理職や役員などは、その最たる例だろう。
転職できる人は、
「今、業界でも最も求められているスキル」
「身につければ他でも困らない経験」
という風に考え、市場価値の上がるために戦略的にキャリアを築いている。
本質的なスキル3.自分の適性を活かせるスキル
本質的なスキル3つ目。それは「自分の適性を活かせるスキル」だろう。
どれだけ市場価値の高いスキルを身につけるにしても、時間は限られている。
たとえば、年収が上がるからと言って社会人から医者を目指すというのは非現実的だろう。
また、体力がなく学生時代に運動部にも所属していなかった人が、プロスポーツ選手を目指すのも非現実的だ。
それと同じで、
- 細かい作業が苦手なのに事務や経理にこだわる
- 対人コミュニケーションでストレスを抱えやすいのに営業職を続けている
- アイデアを出すのが得意なのに前例主義でマニュアル的な社風の会社に勤め続けている
など、言うなれば「自らの才能を押し殺すような職場環境」で無理に働き続けている人も、実に多い。
ハッキリ言うが、仕事で中心となるスキルは「周りよりも習得が速く得意なこと」の方が、伸びしろも大きいし、何より周りよりも上手くできて優越感も得られるので、わざわざ苦手なことを続けるよりもずっといい。
運動が苦手な人が体育の授業で周りよりも劣りっぱなし、他人よりも努力しても周りから離されていく…なんて屈辱、耐える価値のない我慢でしかない。
要は、人生の早い段階で「自分は他人よりも何が得意で何が苦手か?」「何に努力する時間を割けば周りよりも有利になれるだろうか?」を見極めてないと、一生、合わない会社や仕事で周りよりも劣り続けるという屈辱じみた人生を歩むこととなるのだ。
たまに「苦手なことでも我慢してやれ」「弱みや欠点も克服しないといけない」という声も聞くが、そんなものは「自分はこれなら周りに負けない」という強み…つまり「キャリアの軸」を見つけてからでも遅くはない。
なぜなら、なんの強みも取り柄もないまま「色んなことができるけどすべて平均以下」「他では替えが利かない個性的な能力」がないと、何もかも中途半端で雑用ばかり押し付けられる損な役回りばかり演じるハメになるからだ。
本質的なスキルが身につかない会社を辞めた方がいい理由
本質的なスキルとは「”自分でどうにかする能力”のこと」「市場価値の高いスキル」「自分の適性を活かせるスキル」の3つだと解説してきた。
これらがまったくに身についてる実感がないなら、辞めることを視野に入れておいて損はない。
何も「すぐ辞めろ」と言いたいわけではない。
だが「この会社で一生働き続けるべきなのだろうか?」「自分には年齢相応の経験が身についているのだろうか?」と定期的に振り返っておかないと、いざ会社の経営が傾いたり、人間関係が悪化して辞めたくなった時に「他の会社では通用しない」「今の会社で大したスキルが身についてなかった」と発覚するリスクは下げられる。
言っちゃ難だが、正社員でもアルバイトレベルの仕事を何年も続けて大した経験が身についてない社会人は、結構な数いる。
逆にアルバイトでも、早期にリーダーを経験したり、掛け持ちすることで色んな現場を経験することで、20代後半以降に社員として覚醒する人だっている。
要は「自分は正社員だから大丈夫だろう」などと慢心していたり、ひどい場合には「自分は正社員、大企業勤めだから勝ち組。非正規の負け組よりもマシ」みたいに見下していると、歳を重ねるごとに取り返しのつかない事態に陥るのだ。
その理由を、説明していこう。
理由1.長く勤めたところで”無駄な努力”になるから
「苦労は買ってでもしろ」「努力すればいつか夢は叶う」
こういう言葉を聞いたことはないだろうか?
もちろん、そうした心構えは重要だし、成功した人はすべからく努力も苦労もしている。
その一方で、苦労や努力し続けても報われない無数の敗北者がいることも忘れてはならない。
この世には明らかにしなくていい苦労や無駄な努力も数多くあるという事実は、あまり語られない。
耐えなくてもいい”無駄な苦労”も多くある
たとえば、子どもを虐待するような親の元で我慢し続けるのは「苦労」「努力」とは言い難い。
しかし、そればなぜか会社内で理不尽なハラスメント上司のもとでの話になると、多くの人が「黙って耐えろ」「みんな辛いんだ」「うちはこうだから」などと正当化しだす。
この場合、本当にしなければならない努力は「そんなふざけた環境から逃げて自分を守るために頭を使い行動する努力」だ。
ある人は、理不尽な上司にハラスメントされないように尻尾を振る犬のごとくご機嫌取りするだろうし、執念深い人は黙って耐えて上を失脚させる機会を虎視眈々と狙うことかもしれない。
戦う気力さえないなら、退職代行に任せて会社を辞めて休養期間を設けるのも立派な生存戦略だし、理不尽で受けた傷が大きいなら弁護士や社労士に相談して国や会社相手に慰謝料や保証金を請求するのもいい。
理由2.「会社にしがみつく」しか選択肢がなくなるから
会社とは本質的には「その会社の雰囲気や考え方に適応できる人物が居座り続けて、そうでない人ほど辞めていく」という構造で成り立っている。
ま、たとえば部下や新人を怒鳴って育てるような会社なら、それに耐えた人物が次に入ってくる人物らも同じように育てることだろう。
あるいは、上の方針に疑問や不満があっても「給料さえもらえれば自分はどうでもいい」「余計なこと言うと職場での立場が不利になるから…」と自己保身しか考えないほうが有利な職場なら、どんどん組織は腐っていく。そして腐ったところで大半の社員は「どうでもいい」「関係ない」と無視を決め込む。
これは、自分でどうにかする能力がなく会社にすがるしか選択肢がないヤツラの成れの果ての姿だ。
「長く続ける」ことが会社員の美徳かのように語られる。
しかし、その実は「会社の不正や怠慢も目をつぶって見過ごすこと=会社の利益にならないこと」となっていることも、非常に多い。
2023年、ビッグモーターという会社内で「お客の車をゴルフボールで壊しかさ増し請求」という手口が組織ぐるみで行わているニュースが社会問題となった。
当時からビッグモーター内に所属していた社員は「同罪」だとしか思わない。
では、なぜ当時の社員は辞めないでいたのか?
「自分が不都合になるのが嫌だから」
「転職して失敗するよりもブラックだとわかっていても働き続けたほうがいいから」
「他所で通用する自信がないから」
せいぜい、そういった理由だろう。
もちろん、ビッグモーターの一連の事件が発覚した後に辞めた人間に貼り付けられるのは「こいつもお客の車をゴルフボールで壊した、不正に加担してた人間なのでは?」といった不名誉なレッテルだ。
しかし、もし正面切って不正を告発する…とまではいかなくても「会社のやり方に疑問を持ち違法行為でないかどうか調べる」「会社内の異常な雰囲気に危機感を持って転職できるようにしておく」といったことができたら、どうだっただろう?
…要は「会社の不正や悪事、異常すら疑う判断力もない、自分で考えられない”思考停止した人間”」ばかりの会社環境になると、会社にしがみつくしか能がないヤツラが他人を蹴落とすことばかりにお熱になるわけである。
理由3.「その場しのぎの対応」しかできないポンコツになるから
大手企業勤め・管理職という立派な肩書きでもあるにも関わらず、ビックリするぐらい無能な人物を見たことあるだろうか?
私は何回もある。
その無能さ足るや「自分で何も考えない」「わかってるフリだけは上手い」「何一つ具体的な提言をしない」「周りから呆れられてることに気づかない」など枚挙にいとまがない。
私が企業相手にコンサルティングを行うようになって、40代ぐらいの管理職や大手企業出身者にも、こういう「今までこいつ何やってきたんだ?」レベルの人間がうじゃうじゃいるというのだから、驚きを隠せないでいる。
で、なんでそういうポンコツが平然と管理職になれるとかというと「その場しのぎの対応」だけを磨き上げてきた結果だと分析している。
「その場しのぎの対応」とはどういうことか?
それは「根本的な改善」をしないことである。
根本的な改善に期待できない会社
ここで「辞めた方がいい会社」の特徴2つ目である「根本的な改善に期待できない」について解説していこう。
「根本的な改善に期待できない」とはどういうことか?
主に以下の5つの特徴に当てはまる会社が該当する。
- 上が”その場しのぎ”しかできない
- 仕事した気になって満足している
- 問題があっても上が放置し続けている
- 現場の声を拾わない会社
- 足の引っ張り合いや責任の押し付けしかしてない会社
こうした会社は、組織の根っこが腐っているので「仕事すればするほど仕事が増える」「どれだけ頑張っても給料が上がらない」「有能な人ほど辞めて無能な人ほど残り続ける」といった状態が生じやすい。
そのメカニズムを紐解いていこう。
1.上が”その場しのぎ”しかできない
たとえば、クレームが頻発しているにも関わらず「俺の手を煩わせやがって…」とキレて、下に丸投げでどうにかさせるような上司がいると「なぜクレームが起こっているか?」の原因を突き止めることができず、現場の負担は減らないどころか、上司が毎回切れるので報告すら上げなくなる。
こういう風に上が「自分は何もしないで偉そうにしてるだけ」でも成り立ってしまうのが、組織の素晴らしいところでもあり、脆弱な部分でもある。
2.仕事した気になって満足している
多くの仕事は「より良くすること」「良くすることで価値を生み出して利益にすること」で成り立つ。
ところが「上から怒られないようにする」「怒られたくないので怠慢を隠す」みたいな、まるで親の顔色を伺ってイタズラを隠すような”ガキレベルの仕事”だけで何十年もやりくりしてきた社員は、驚くほどに多いのだ。
それもそのはずで「大学で勉強してきて、入社後に上から振られる仕事を失敗しないように卒なくこなしてきただけの人材」は、実のところ「なぜうちの会社は儲かっているのか?」「未知のトラブルにどう対応すればいいのか?」「新しい領域にどう挑戦すればいいのか?」を知らないまま出世してきている。
そういう社員ができる「失敗しない方法」とはせいぜい「プレゼンでそれらしいことだけ言っておく」「仕事したアピールになんか流行ってることをやっておく」程度だ。
君が将来、そういう「上から怒られないようにするためだけに”その場しのぎ”だけで本質的には何もできない社員」になりたいなら、そういう会社で働き続けるべきだろう。
だがしかし、人生の幸福度は「どれだけ自分でコントロールできることが多いか?」で決まるということを知っておいて欲しい。
君の職場にも「部下が思うように言うことを聞かないで常にイライラしてる上司」がいないだろうか?
そういう上司が常にイライラし続けているのは、自分の力で部下を上手く動かすことも、上から降りかかる理不尽な仕事を上手くさばくこともできないからである。
しかし、上にはご機嫌取りにいい顔だけして、下は理不尽にあたって自分の手柄を盗むことに躍起になる。
どれもこれも「仕事ができないから、仕事してますアピールだけ上手くなり、実質的な仕事は部下にやらせて成果だけ横取りする」という立ち回りでしか、生きられないことが理由だ。
3.問題があっても上が放置し続けている
私が「こいつらダメだ…」と愛想尽きて切った会社に共通して当てはまるのが「問題があっても放置する」というものだ。
たとえば、明らかに人格に問題があって周りの生産性を下げる問題人物を注意しないような会社などが当てはまる。
こういう会社は、悪い意味で「呑気」「いい人が多い」傾向があった。
先ほどの問題人物の例で言えば、誰かが直談判しても「まあまあそう言わずにあの人も悪気がないから…」「あの人は仕事ができるから…」と言い訳するばかりで、誰も手を汚したくないばかりに、全体の負担が増えるといった形だ。
問題を早期発見する仕組みはあるか?
仕事のできる人、あるいは優れたリーダーや経営者の資質として「見逃したらいけない違和感や予兆に気づく」というものがある。
そういう人物ほど直感や能力に頼らず、トラブルが大きくなる前に先手を打ったり、見逃さないようにしれーっと現場の様子や対人関係の機微を伺うなどしている。
逆にこの視点がない人ほど「誰かが指摘や忠告しても聞く耳持たず」「問題が発覚して収集がつかない事態になって始めて対応する」など、問題に対する嗅覚が低い。
たとえば、あなた今「会社を辞めようと思っている…」と追い詰めるほどの要因があるにも関わらず、上が気づいてないならその可能性が高いだろう。
4.現場の声を拾わない会社
現場の声を無視し続けている会社も、ロクでもないことになっていることが多い。
たとえば「ITエンジニアと営業部門の関係が冷え込んでおり無駄なストレスと業務負担が増えている」といった例だ。
「現場の声を拾わない」とは「人の話を聞かない」とも言い換えられる。
もちろん、組織というものは大きくなればなるほど末端の社員の声が届きにくくなるため、大手企業や公務員などは現場の声をいちいちすべて聞き入れていては組織運営が成り立たないだろう。
だが、職場単位で言えば、その職場を指揮するリーダー格の人物が「人の話を聞くか聞かないか?」でだいぶ仕事のやりやすさや職場の雰囲気が変わる。
言っておくが、ここで言う「話を聞く」は「ただ聞く」だけでなく「聴く」…すなわち「傾聴力」と呼ばれるものだ。
話を聞かないヤツが上になると「そういう意図で言ったわけではない」ということだけ鵜呑みにしたり、「自分にわかる都合の良い解釈しかしせず見当違いの対応をしだす」など、ロクでもないことになりやすい。
で、他人の話を聞くのが上手い人は、そもそもの「話せるタイミングを意識的につくる」「相談しやすい雰囲気づくり」など、相手が話しやすい土壌づくりも上手い。
一方で、話を聞かないヤツは「相手の言い分を聞く前から一方的に丸め込む」「相談しても見当違いのアドバイスや対応しかしない」など「あ、こいつ相談するだけ無駄だ…」と思わせるバッドコミュニケーションを日頃から行いがちだ。
5.足の引っ張り合いや責任の押し付けしかしてない会社
「あーこの職場終わってんなー」と思うのが、足の引っ張り合いや責任の押し付け合いしかしてないような職場だ。
これは今まで紹介した特徴が当てはまれば当てはまるほど、こういう状態になりやすい。
要は「率先して仕事をやればやるほど不利になる」という構造…つまり「真面目にやるほどバカを見る」「仕事しないほど得する」という状態になっているので、実際にはやる気のある人や優秀な人でも「やらない方がマシ」という状態になるのである。
この構造になってしまう最たる原因は、やはり「上の問題」であることが多い。
決める人が決めなかったり、そもそも誰が決めるべきで責任があるのか曖昧。注意するべき人物が注意せず無責任…。
あるいは「失敗すると怒られる」「何をしても否定される」という徒労感から「学習性無力感」に陥る。
この状態に陥ると、上がやり手で組織再編や部署メンバーの異動を行うなど対処しないと、割とどうにもならない。
私自身「黙って耐える」という選択肢を選んだら上が無能で何ひとつ問題をわかってなくて自分自身が潰れて裁判沙汰寸前にまでなったこともあれば、上が上手いこと組織再編して回復させた例もある。
それぐらい「上の人物がやるべきことをやっていない」状況だと、往々にして「足の引っ張り合い」「責任の押し付け合い」となりやすい。
③価値基準が合わない
最後に紹介したい「辞めた方がいい会社」の特徴が「価値基準が合わない」というものである。
抜け落ちがちな視点だが「同じ職業でも会社が変われば求められるスキルもやり方も180度変わる」ものである。
たとえば、私は今コンサルティングの仕事をしているが、これも総合コンサルティングファームや中小企業診断士ではやり方も商売相手も全然異なる。
前者はチーム内での立ち回りやスキルが求められるが、後者は個人プレイが求められるなど、違いがある。
これと同じで、会社の価値基準と自分の仕事観が合わないと、ストレスも大きくなり仕事でも活躍できないことが多いので、その理由について述べたい。
3-1.価値基準が合わない会社で我慢し続けるデメリットは大きい
何回かお伝えしている通り「その会社に合うヤツが居座り続けて、疑問を覚える人ほど辞める」ものだ。
要は「ただダラダラと毎日同じ仕事をする働き方に疑問を持たない」ようなヤツは、時代遅れな会社に一生すがり続ける。
逆に「うちのやり方はおかしい」「この会社にいても先はない」という人ほど、なんだかんだで辞める。
それが立つ鳥跡を濁さずで辞めるのか、会社と1戦交えて辞めるのか、プロセスやタイミングの問題である。
3-2.「仕事ができる」の評価基準もズレるので長期的に見て不利
辞めた方がいい理由として、かなり決定的になるのが「評価基準のズレ」です。
どういうことかというと、組織や職場によって「仕事ができる人」「優秀な人」の基準が異なるということです。
当人としては「自ら課題を見つけて挑戦するのが優秀」だと思っていても、会社基準で見たら「余計な仕事を増やす無能」「何をやってるかわからない人」と思われたらそれだけで評価が落ちます。
私自身、過去にやたら過小評価された会社や、評価されないで辞めた人の愚痴などよく聞きますが、掘り下げると「会社側の評価基準と自分が目指したい方向性のズレ」が根本原因だったように思えます
3-3.話が合わないのでコミュニケーションコストが増す
会社全体の価値観が異なると、仕事でのコミュニケーションもやたら負担が大きくなります。
たとえば、私はマーケティングの仕事に関してはだいぶ深い知識や経験を持ってますが、社内の人間がロクに知識も経験がないと話が噛み合わないでトラブルが生じる…といったケースです。
とくに「一つの会社での業務経験しかない人」が多い会社だと「自分が知っていること、経験したこと=普通」という認識なので、ちょっとでも違うやり方や別会社の知識を持ち込むと反感を買うことも非常に多いです。
何が言いたいかというと、多くの企業が外野から見れば「ガラパゴス化」してることが非常に多いという事実です。
その会社の慣習や暗黙知に慣れた人だと「言わなくてもわかる」「自分のやり方が正しい」と居心地が良いものですが、そうでない人…たとえば「他の職場で経験がある人」「独学で学んで新しいやり方を模索する人」からすると非常に居心地が悪く感じるのです。
3-4.「辞めてよかった」の思いのほうが強いから
価値観が合わない会社で無理に働き続けるのは、価値観がまったく合わない恋人と同棲しながら毎日細かなことでイライラし続けてるようなものです。
仕事の人付き合いにしても、恋人や友人にしても、言葉にしにくい「根本的な価値観」が合わないと、無駄にストレスを抱えることになりがちです。
仕事で様々なプロジェクトに参加して色んな人と関わったり、プライベートでの交友も増えてくると「なんとなくこいつは合わないだろうな…」「こいつとは深く関わらないようにしておこう」みたいな”警戒のサイン”が磨かれてきます。もちろん、その警戒サインが発せられるまでには、多くの失敗を重ねてきました。
で、振り返ってみると、そういう合わない相手や会社、実は初対面の時から「細かい違和感」が発せられてたことに気づきます。
にも関わらず、良かれと思って確認を取らず話を進めてしまったり、大丈夫だろうと安請け合いして思ってたのと違った…という事態になりやすいです。
それでもある程度は、我慢して続けることはできます。
ただ、我慢して続ければ続けるほどに「なんか違う」「あいつがムカつく」などと、不快感や不満が強くなるのです。
経験した今でこそわかりますが、これは「自分の中の本能の防衛サイン」「心の声」とも言うべきもので、一番大事にしないといけないものです。
なまじ、これを無視して、都合の良い人物を演じられる能力があると「自分を騙していい感じに周りに合わせる」ことができてしまうのです
しかし、それは長く続くものではありません。
この状態にある人が会社を辞めると、どんなに将来安泰な大企業や公務員、年収の高い仕事であっても、ほぼ口を揃えて「辞めて良かった」と言います。
それぐらい、根本的な価値基準が異なる会社に無理に合わせることは、想像以上の苦痛を伴う行為なのです。
理性では「会社を辞めると将来の不安が…」「年収が下がるかもしれない…」と思っていても、自分の本心や感情を軽視しすぎてはいけない…ということです。
まとめ
辞めた方がいい会社の特徴として、以下の3つを紹介してきました。
- 本質的なスキルが身につかない
- 根本的な改善に期待できない
- 価値基準が合わない
どれも「会社が正しいと盲信して続けると将来取り返しのつかないことになる」「無理に合わせて続ける自分が潰れることになる」など、長期的なリスクが大きいものです。
ぜひ、今の自分の状況と照らし合わせて、ご自身のキャリアの判断材料にしてみてください。