「仕事に私情を持ち込む人にうんざり…」
「人の好き嫌いで仕事する奴がいて迷惑…」
「職場の感情や気分で動く人に振り回されている…」
「仕事で感情的になる人が理解不能…」
このようにお考えではありませんか?
社会人として公私を切り分けて感情を制御し、己の役割にまっとうするのは当たり前の考え方だと思われがちです。しかし、実際には個人的な私情で動く人であったり、好き嫌いを持ち込んで特定の人間と社内で関わらない人であったり、仕事でも感情的になる人はかなり多いです。
もちろん、仕事では情熱があるからこそ成し遂げられることもあったり、尊敬していたり信頼している相手だからこそパフォーマンスが発揮できるなど、感情が良い方向に働くこともあります。ですので、一概に感情で動くことが悪いとは言い切れないでしょう。
ですが、たとえば以下のような仕事相手だとどうでしょうか?
- 仕事で思い通りにならないと喚き散らす人がいる
- 部下を怒鳴る・威圧するなどして萎縮させる上司
- 不機嫌さを露骨に態度に表し他人を遠ざけるような人
- 自分の好き嫌いで仕事をより好みするような人
おそらく、こういった人が同じ職場にいるだけで、普段は感情を制御して真面目に働いている人ほど不平不満を感じやすくなるはずです。
豆知識となりますが「EQ(Emotional Intelligence Quotient – 心の知能指数)」という言葉があります。これは自分や他者の感情を知覚し、自分自身の感情をコントロールする能力のことです。トップエリートの9割以上はEQが高いという研究・調査結果が出ており、Googleなどの大成功を納めている企業ではチームマネジメントにこのEQを取り入れていると言われております。
つまり、仕事に私情を持ち込まないで感情をコントロールできる人はEQが高く、ビジネスでも成功を納められる確率が高いのです。ですので、感情的な人に振り回されたり飲み込まれるよりも、より自分自身の感情をコントロールできる能力を身につけた方が、将来的に役に立つ可能性が大きいです。
そこで当記事では、仕事で感情的になる人の特徴やその人に対する心理を解説した上で、上手に付き合うための考え方、また、他人の感情に振り回されないでより感情を制御して仕事で活躍できるためのヒントをまとめてお伝えしていきます。
仕事で感情的になる人の特徴
仕事で感情的になる、野蛮なチンパンジーと見間違うレベルの人間には、どのような特徴があるのでしょうか?
それは主に以下の通り。
- その時の気分や機嫌で言動がコロコロ変わる
- 感情で動く人は自分勝手
- 自分の非を認めることができない
- 論理的な思考ができない
- 想像力が欠けている
あなたの周りにいる感情的な人を思い浮かべながら、読んでみてください。
1.その時の気分や機嫌で言動がコロコロ変わる
仕事で感情的になりやすい人は、その時の気分や機嫌で、言動がコロコロ変わる性質を持っています。
責任の伴う仕事において、言動が一貫しないのは、自制心のない証拠です。
昨日と今日ならまだしも、数時間前と言っていることややっていることが、コロコロ変わるため、一緒に仕事している方はストレスを抱えがちになります。
2.仕事で感情的になる人は自分勝手
仕事ですぐに感情的になってしまう人は、自分勝手な人が多いですね。
周りのことが見えておらず、自分のことで精一杯なので、つい自分勝手になってしまうわけです。
そして、そんな人間が上司になって部下に指示を振ることも、社会においては珍しくありません。
だいたい、自分自身の感情も制御できない人間が、他人に指示を出してコントロールするなんて、到底無理な話です。
その結果、感情で押し切って相手を支配するような、ハラスメント上司が日本中にたくさん湧くことになるわけですね。
3.自分の非を認めることができない
仕事で感情的になる人間は、決して自分の非を認めようとはしません。
なぜなら、自分の非を認めると「負けた」と感じてしまうからです。
また、ひどい場合には「他人の非も認められない完璧主義者」が、感情的になって怒ることも、社会ではよくみる光景ですね。
人は誰しも、間違うもの。
そして、過ちを真摯に受け入れてこそ、成長できるもの。
そんな基本さえ出来ない人間には、成長するチャンスは一生訪れません。
4.論理的な思考ができない
仕事で感情的になってしまうような人は、論理的な思考が出来ません。
「論理的な思考」とは「ロジカルシンキング」とも呼ばれ、社会人に求められる基礎スキルですね。
しかし「社会人に求められること基礎」と言うのは、逆に言えば「基礎が出来ていない社会人も多い」とも言えます。
つまり、論理的な考え方の出来ていない社会人は、結構多いんです。
とくに、感情的な人は理屈や論理よりも先に、感情が表に出てしまうわけですが、それは大半が「論理的な思考が出来ない」ことが、原因にあります。
物事を順序だって考えられないので「なぜ、自分が怒っているのか?」すら、理解できていませんからね。
5.想像力が欠けている
仕事で感情的になってしまう人は、想像力に欠けています。
「自分の言動が、どれほど職場に影響力があるのか?」
「自分が感情的になることで、周りがどれだけ不愉快になるか?」
こういったことを想像する力がないので、感情的に考えなしで発言してしまうわけです。
仕事において「想像力」、言い換えれば「先を読む力」は必須スキルですが、すぐに感情的になってしまう人には、この能力が欠けているわけですね。
ただし、被害妄想だけでは一人前で「何事も自分の都合の悪いように考えてしまう」という、悪い意味で想像力が豊かな社会人もいますが…。
感情的な人と仕事をするデメリット
理屈や論理が通じないため、仕事の話がスムーズに進まない
感情的な人には、とにかく理屈や論理が通じません。
そのため、仕事においても話がスムーズに進まず、時に厄介な存在になります。
「あいつは気に食わないから」
「自分より若い社員が評価されるのはムカつくから」
「自分の案が却下されるのが嫌だから」
こういった「感情」を優先するあまり、会社にとって合理的な判断を行うことができないのです。
もちろん、人間である限り感情は切り離せないものですが、だからといって仕事に私情を持ち込んでもいいわけではありません。
にも関わらず、仕事にしょーもない私情を持ち込む人も、社会人には多いのです。
自制心が欠けているため、周りが振り回されがちになる
「感情的な人間」というのは、言い換えれば「自制心がない」とも言い替えることができますね。
大人として、感情を処理できないがために、子供っぽい・幼稚な人間として、場をかき乱す存在になるわけです。
ハッキリ言って、感情的で幼稚な人間と関わることは、百害あって一利なしです。
周りにストレスを与えるため、職場の空気が悪くなる
また、感情的な人間は、周りに与える影響を考えない言動を行うがために、職場の空気を悪くしがちです。
ただでさえ、仕事はストレスの多いものですが、わざわざ自分から職場に余計なストレスを与えるのが、仕事で感情的になる人の悪いところであり、嫌われる原因でもあります。
「みんな、辛いんだから我慢しろ」
「仕事でストレスを抱えるのは当たり前」
…などとは言いますが、わざわざ自分からストレスを撒き散らかし、仕事に悪影響を与えるのは、ハッキリ言ってバカのやることとしか言えません。
今や「働き方改革」に伴う、ライフワークの見直しで「仕事で受けるストレスを選ぶ」ことの出来る時代になっています。
感情的な人間に振り回されてストレスを抱えている人は、素直に他の仕事を見つけたほうがいいですよ。
うつ病などの、精神的な病気のリスクも…
仕事で感情的になる人間と関わり続けると、うつ病などの精神的な病気にかかるおそれも生まれてきます。
感情的な人間というのは、時にハラスメント行為スレスレの言動も行ってくるからです。
パワハラ、セクハラ、モラハラなど。
感情的な人間は、思いつきで発言するために、平然と他人の心を傷つけるわけですね。
仕事で感情的になる人との上手な付き合い方
ここからは、仕事で感情的になる人との、上手な付き合い方を紹介してきます。
まず、大前提としては「感情的な人間相手に勝とう」だなんて、間違っても思わないことです。
何度も言いますが、仕事は先に大人になった方が勝ちです。
相手に勝とうと思わず、その上で負けることもない、柔軟な付き合い方を模索していくべきですよ。
相手の機嫌や気分に合わせて付き合おう
感情的な人間と関わるのであれば、まずは相手の気分や機嫌に合わせて付き合うことが大事です。
社会人には、機嫌の悪い時には一言も話さないような、子供っぽい人もたくさんいますからね。
気分や機嫌でムラのある人とは、距離を置いて必要最低限だけ関わるようにしましょう。
ただし、仕事上で絶対に伝達しなければならないことに関しては、相手の機嫌が悪かろうが「知ったこっちゃない」と振り切って、連絡することも大事ですよ。
大人の対応で受け流す術を身につけよう
感情的な人間は、こちらの事情など考えずに、周囲を勝手に巻き込むタイプも多いですよね。
飲み会の参加に強要であったり、しょうもない自慢話や説教を語ってくる上司など…です。
こういったタイプの人間は「話を聞いているフリ」をして、上手く受け流しましょう。
間違っても「お前の話、どうでもいいんだけど?」という態度をとってはいけません。
「すごく!参考になります!」
「ご指導ご鞭撻、身に沁みいります!」
「さすが先輩!人生経験豊富ですね!」
…ぐらい、過剰に褒め殺すぐらいがちょうどいいですよ。
無駄な言い争いは避けよう
感情的な人間とは、言い争いするだけ無駄です。
理屈や論理が通じるタイプならまだしも、そうでないタイプは、何をしゃべったところで、聞く耳を持ちませんからね。
正直、真面目に相手するだけ無駄なので、構ってはいけません。
「論破しよう」なんて考えないこと
感情的な人間相手に、もっともしてはいけないことは「論破する」という方法です。
感情的になっている人間は、言ってしまえば「駄々をこねている」という状態なことが多いわけですが、それを論破したところで、何の解決にもなりません。
そもそも、感情的な人間相手に「相手の感情を落ち着かせる」ではなく「論破する」という目的を持ってしまった時点で、すでにあなた自身も感情的になってしまっているわけですからね。
あいてに「イラッ」と来たときほど、一度冷静になって言葉を選びましょう。
感情的な人に振り回される職場からは転職も考慮しておく
感情的な人に振り回され続け、仕事やプライベートにも支障が出ているような人は、一度冷静に転職について考えてみるといいかもしれません。
転職の多くは「職場の人間関係」「上司との関係」がきっかけで、行われるものです。
仕事の問題については、個人の努力次第でどうにか出来ます。
ですが、人間関係はいくら努力してみたところで、変えようがありませんからね。
他人を変えることは困難ですが、自分を変えることは自分の行動次第でどうにかなります。
冒頭にも述べましたが「仕事は先に大人になった方が勝ち」です。
感情的な人に毎日振り回されるぐらいであれば、転職してもっと大人な人間関係で仕事のできる職場を探してみるべきでしょう。
感情的な人に振り回されて、転職を考えている人は多い
「転職」というと、キャリアアップでの「前向きな転職」か、あるいは今の仕事に耐えかねての「逃げの転職」をイメージする方が多いかと思います。
しかし、実際は「ささいなきっかけ」「細かい不満が積み重ねって」「特定の上司とウマが合わなくて」などの理由で転職を考える人も多いんです。
もちろん「職場の感情的な人にうんざりして…」という理由で転職する方もいますね。
「感情的な職場でのストレスに耐えかねて転職」
「感情的な怒号が飛び交い、まともな仕事にならないので転職」
こういった、感情的な人に振り回されるストレスに耐えかねて、転職する人も少なくはないのです。
私も、感情的な発言の飛び交う職場で耐えかねてしまい、転職した過去を持ちます。
転職してみてわかりましたが、感情的にならずに冷静に物事に対処できる上司や同僚と仕事すると、驚くほど仕事に集中できますよ。
もともと、仕事とはストレスの多いものです。
そこにわざわざ感情的な発言を持ち出し、さらにストレスを多くするのは、まともな社会人なら”百害あって一利なし”とわかりますからね。
感情的な同僚や上司に振り回されて、仕事に悪影響を感じている方は、一度転職を考えてみて、より働きやすい職場を探してみてください。