「今のままじゃいけない…」
「このままじゃダメだ…」
人生でこのように悩む機会は、何度もあるかと思います。
私もそういった「漠然とした不安」「実感の湧かない焦燥感」みたいなものを、ずっと抱えて生きております。
…が、最近は「別に変わらなくてもいいんじゃね…?」と振り切りました。
それはなぜか?
どうあがいても、人は”いきなり”は変われないからです。
仮に急激に変わったとしても、それは例外なく「実力不相応」に変わっただけなので、後々痛い目を見ます。
世の中には「新しい環境に飛び込んでみる」だとか「自分探しのために外国に旅立ってみる」だとか「仕事を変えてみる」だとか、行動してドンドン変わっていく人もたくさんいます。
そして、そういう人は「かっこいい」だとか「すごい」だとか、表面上は称賛されます。
そういう人を見て、時にうらやましく感じて「自分も、ああなりたい…」と、憧れの感情を抱くこともあるかもしれません。
あるいは、そういう人と比べて「なんて、自分はみじめなんだろう…」と、みじめな思いをすることもあるかと思います。
今回は、そういう人に「無理に変わる必要なんてない」「そのままの君でいいんだよ」と、お伝えして参ります。
人は「いきなり」は変われない
なぜ、私が「変わらなくてもいいんじゃない?」と思うようになったかと言うと、それは「急いで無理に変わったって、どうしようもない」と気づいたからです。
誰もが成人式を迎えて、いきなり大人になれないのと同じです。
20歳になって成人式を迎えたからと言って、それでいきなり精神が大人になるかと言われたら、なるわけがありません。
経済誌やビジネス誌などを読めばわかりますが、そこでは「40代でも精神がまだまだ未熟で当たり前」だとも書かれております。
それぐらい、本当の意味で「大人になる・成長する=変わる」というのは難しいことだと、人生経験豊富な方でも語るぐらいなのです。
そこに気づかずに「若いうちに早く結果を出したい!」だとか「自分は大人にならなきゃ!」だと強迫観念に迫られて、変わることを急ぎすぎている人が多く感じます。
事実、社会が否が応でもそういう風に「変わらなきゃダメだよ?」と急かしてきます。
転職市場には明らかに「年齢の壁」が存在しますし、結婚に関しても「婚期」があり、とくに女性の場合は若いほうが明らかに有利です。(…と世間一般では広く信じられておりますが、反例も腐るほどあります)
ですが、そういった世間体に流されて「自分を見失う」と、ロクな結果になりません。
私の経験則ですが、そういう「何かをすれば、自分は変わるかも…」と思って行動した場合、残念ながら何かが変わることはありませんでした。
たったの一度足りとも、です。
ですので、もう自分はそういう性質だと諦めてます。
仮に、ちょっとした行動や環境の変化で変わったとしても、それは自分が変わったのではありません。
周りの人間からの評価が変わっただけです。
それが一体何を意味するかは、明白です。
自分の本質が変わったのではなく、自分を映し出す鏡が変わっただけなのです。
その鏡に「都合のよい自分」が映し出されている限りは、人は居心地の良さを覚えるものです。そして、その鏡が「都合の悪い自分」を映し出すようになると、不満や不安を顕にするのが「いきなり変わった人」の実像です。
「いきなり変わった自分」に価値などない
私は「”いきなり変わった自分”に価値などない」と思ってます。
マーケティング・セールス関連の仕事をしているとわかりますが「いきなり変わる奇跡の魔法」を売る仕事です。
大なり小なり「これを使えば、自分は変われるかも…!」と思わせなければ、広告業は務まりません。
ですが、サービスや商品が与えられるものは、せいぜい「きっかけ」でしかありません。
「そんなので変わった自分に、一体何の価値があるのさ?」
…としか、思えません。
それで一時的に賑やかに過ごせたり、ちやほやされても、最後に残るのは”虚しさ”だけです。
それがなぜかと聞かれれば「一切、自分自身の力で何かを変えたわけではない」からです。
引き算的に考えれば「自分が評価されているのではなく、自分のステータスや身にまとっているブランド品が評価されているんだ…」と、すぐに気づきます。
私は第一印象や見た目、あるいは目先の利益や打算でしか他人を判断しない人間には、一切価値も魅力も感じませんし、同じような次元の価値基準でしか相手を判断しません。
これが良いか悪いかで言えば、おそらく「損をする考え方」だとは思います。
…が、別に「他人と比べると損してるかもしれないが、何も失ってはいない」と気づけば、潜在意識としては「他者との比較」…つまり、劣等感や嫉妬心だとわかりますので、そんなものに自分の価値を委ねるのは愚かとしか言い様がありません。
変化を迫られた場合は?
現実では「自分が望まないにも関わらず、変わることを余儀なくされる」という場面もあります。
たとえば、いきなり上司が抜けて代役を任されたり、結婚して子供が生まれて家事や育児をせざる状況に追い込まれた場合などです。
…が、結局そういう状況は「流されて無理に変わっただけ」「変わることを自分で望んだわけではない」わけですので、根本的なところでは”受け身”だと言えます。
実際、そういう人の愚痴を聞いてますと、私はドライに「それ、自分で選んだ選択肢でしょ?そんなもん選んだ時点で想定できる事態じゃん?覚悟決めてなかったの?なんで愚痴るのさ…」としか思いません。
(もちろん、これを現実でマジレスしちゃうと人間関係ぶっ壊せるので言いませんし、その”想定できる事態”を想定できるのが明らかな私の強みと異常性です)
そうして変わった自分に価値があるかと聞かれれば、私は「そんなにない」と思ってます。
自分で変わったのではなく、環境や時代、あるいは周りの人間に支配されているだけなのですから。
仕事にしても人生の選択にしても、大半は「自分だけの意志で決めて選んだこと」なんてほとんどなくて、だいたいが「周りもやってるから」だとか「安定している」だとか、そういう理由ばかりです。
そういう選択肢でも問題はありませんし、苦労した分の経験値は得られますが、もっと根本的な「自分の意志で変わったんだ!」という充実感や達成感は、まったくありません。
正直、私は「悩みに悩み抜いて、自分自身の意志と責任で、覚悟を決めて選んだ道」で得られた変化にしか価値はないと思っているので、いきなり変わろうだなんて微塵も思ってません。
このサイトについても「本当に自分のやりたいことを見つけ出すために、転職や生き方の情報を編集している」だけで「まだ、道の途中」程度にしか考えていません。
それぐらい、本当の意味で自分自身で決断して変わることは、難しいことだと私は思っています。
結果を出すことに焦ると本質を見誤る
「結果を出すこと=変わること」に焦りすぎると、本質を見誤ってしまうものです。
たとえば、以下のような考え方。
「テストの点数や単位や学歴を取るためだけに、大学に行く!」
「お金を稼ぐためだけに仕事する!」
「モテるために一目で金持ちだと分かる見た目にする!」
世の中、ステータスやブランドでしか他人を判断できない人もたくさんいるので、たしかに以上のような方法を使えば「変われる」のは間違いないとは思います。
ですが、それで変わる範囲が「他人からの評価」「世間体」であることを意識しておかなければ、自己評価を見誤ってしまう結果にしかなりません。
まあ、現代の日本の多くの企業が「短期的な結果を出すことに腐心している」「目先の利益しか見ていない」という社会状況なので、そういう考え方になってしまう人が増えてしまうこと自体は仕方ないとは思っています。
…が、その程度の「強者の論理」に飲み込まれすぎて自分を見失うことは「変わった」のではなく「取り込まれた」としか言いません。
これは幸田露伴著の「努力論」にも「直接の努力=目的のためだけの努力」と「間接の努力=常日頃から自分の能力向上のために行う努力」として、わかりやすく紹介されております。
「変わりたい!」と思っている人は、多くの場合が前者の「直接の努力」しかしません。
たとえば、実社会における悪い「直接の努力」は、以下のような現象を差します。
- テストで一夜漬けして点数をとり、翌日には内容をすべて忘れている
- 大学に進学して遊びっ放し、就活も早期に内定もらったら、その後遊びっ放し
- お金をかけて高い教材を買って、勉強・実践自体はまったくしない
- youtubeで過激な炎上動画を上げて世間の気を引く
- 仕事で出世した瞬間、手を抜きまくる
「大学を卒業する」ことが決して「社会的な成功を保証される」を意味しないように、直接の努力はせいぜい「チャンスやきっかけを掴む」程度にしか機能しません。間違っても「その目的を果たせたら、楽になれる…」だなんて思ってはいけないのです。
ここを見誤って生まれてしまうのが「高学歴ニート」「高学歴ワーキングプア」「ポスドク」などの、社会問題です。
「直接の努力=目的のための努力」の悪い点は「目的を達成した瞬間、一切努力しなくなる(燃え尽き症候群にも近い)」「目的のために手段を選ばない方法に行き着きやすい」など、中長期的視野で考えれば「悪手」となりやすい側面もあります。
仮に直接の努力で何かが変わったとしても、イマイチ実感がなかったり、空虚感しか覚えないのであれば、それは「間接の努力=常日頃から自分を高める努力」が足りていないからでしょう。
芸能界隈などを見ていればわかりますが「一発屋」「あの人は今?」と、一時の注目を集めて消えていく人間は、枚挙に暇がありません。
そういう人は単に「実力不相応に過大評価」されていただけなのです。
逆に生き残っている人間は、例外なく見えないところで努力しております。
…まあ「急がば回れ」というヤツです。
自分は変わる気がないのに「他人に何かを変えて欲しい」と願う人たち
世の中には「自分は変わる気がないクセして”他人に何かを変えて欲しい”と願う人」が、圧倒的に大多数です。
これは「立場上、改革に乗り出せない人(大企業の経営陣、政治家など)」もいれば「自分が行動するのが嫌だから、他人に何かを変えて欲しい人(社会批判ばかりしている人など)」のどちらもいます。
これが良いか悪いかで言えば「人の心を動かす」こともあるし「気づきや発見を得られる」こともあります。
…ですが、そういう人が「変わらなきゃならない」「行動しろ」と言った場合、本質は「プロバガンダ=大衆扇動」と何も変わりありません。
ここで「その人の意見や発言を参考にすべきかどうか?」の判断基準は、至ってシンプルです。
「その人の発言通りに変わって(行動して)、その人は責任を取れる立場にあるかどうか?」
こう考えれば、わざわざ他人の発言に影響されたり、危機感や不安を覚えて変わる必要などそんなにないとわかってきます。
現実では他人を変えるためには途方もない労力を要し、何度も相手と話し合って、相互理解を深めていくしか、方法はありません。
そこに気づけなければ、残念ながら「何も変わらないし、何も変えられない」のです。
余談ですが、ベストセラー「嫌われる勇気」にも同じことが書いてありますが、どうにも「ちゃんと読んでなくないか?」と頭が痛くなる事例ばかりが目につくので、厭世気分もふくらむと言うものです。
「変わろうと思っている」なら変わり始めている
今回、私がこの記事でこのテーマを書こうと思ったのは、アニメ「プリパラ」の以下のセリフがきっかけだったりします。
今のままじゃダメかなって思ったときは
もう変わり始めているから。by 北条そふぃ(プリパラ)
(あと私の記憶が正しければ「デジモンテイマーズ」の元祖ツンデレ牧野留姫も、作中後半のTシャツの割れたハートマークがつながった段階で「人はそんなにすぐには変われない」というセリフを口にしてたような…)
これは以前、私が学生時代に付き合いのあった作家であり経営者の方も言っていた言葉で「人間、ずっと悩み続けないといけない」的なことをおっしゃってたことを、思い出しました。
(明らかに仕事の愚痴で言っていた本音なので、間違いなく教訓になる類の言葉だと思ってしっかり刻み込んでおります)
それで「ああ、悩み続けているうちは、進み続けているんだな…」と、再確認しました。
もちろん、傍目から見れば「何も変わってないし成長していない」「変わっていない」「行動していない」などと思われますが、それはすべて「他人の評価=世間体」でしかありません。
それぐらい、現実の仕事も人間関係も複雑で難しいことばかりで「答えは一つではない」「結果だけがすべてではない」「正しさだけじゃどうにもならない」「変わることがいいこととは限らない」ことばかりなのです。
それと、この記事を書いていて思い出したのが、自殺してしまった作家・山田花子氏。
上記の記事にも書いてある通り、私はこの作家が生きていたとしたら間違いなく「人の気持ちがわかる、感受性豊かな作家さん」に成長していたと思います。(少なからず、そう読み取って、今生きている我々が次につなげたいものです)
彼女がなぜ自殺したかは決してわかりませんが(死人に口なし)、私は「世間体」「ダメな自分に変わることを強要してくる社会」「商業主義が否定する人間性や個性」なのではないかと、推察しております。
彼女は今日のネット上では「時代を先取りし過ぎた作家」などとも言われておりますが、現代人が今まさしく向き合っている苦悩を、先取りし過ぎていたのです。
こういった事情を考えてみると、今の日本ではいかに「人の成長や可能性を信じられない、心の弱い人間ばかり」であることが、おわかりいただけるかと思います。
ですので「このままじゃダメだ…」と思った時は、焦りすぎずに「本当に無理に変わる必要があるのか?」と、一度冷静に考え直してみてください。
「このままじゃダメだ」と思ったら転職活動しておくのも手
当記事では「無理に変わる必要はない…」とは言いましたが、ある程度の変わる意識はもちろん大事です。
たとえば「今の仕事で上手くいかない…」「他の職場でもっと活躍したい…」と思っているのであれば、コツコツ転職活動をしておき、情報を集めておいたり、人脈を作っておくことも大事です。
私自身、このブログ自体が「転職活動の一環」としか思っていません。
ですので「このままじゃダメだ…!」とお悩みの方は、私が集めた転職情報を参考にして、自身の転職活動の参考にしていただければ、何かしらの気づきや発見があるかと思います。
転職エージェントを有効活用しておく
「このままじゃダメだ!」と思っている方で、とくに転職に興味がある方は「転職エージェント」と呼ばれるサービスを活用しておくのが、有効な手段でしょう。
転職エージェントとはプロのキャリアアドバイザーに相談して、今後のキャリアについて無料で相談でき、オススメの求人なども紹介してもらえます。
転職エージェントについての解説記事はこちら
ただ、転職エージェントを利用する時の注意点は「ビジネスなので、急かしてくる相手もいる」という点です。
とくに現在無職であったり、卒業後3年以内で経歴不十分な既卒・第二新卒層は大手転職エージェントでは急かされやすい傾向にあるようなので、そのような方は「既卒・第二新卒向けの就職支援サービス」を併用しておくのも手でしょう。
既卒・第二新卒向けの就職・転職に関してはこちら
また、転職エージェントでは担当者との相性も大事になってくるので、明らかに急かしてくる担当者と当たったら、担当者の入れ替えをお願いしたり、あるいは他の転職エージェントも併用しておくことも重要になってきます。
ちなみに、当記事を最後までお読みの方にオススメの転職エージェントは、おおよそ以下のとおりです。
経歴もあり年収も高めの方
ビズリーチ:国内最高峰の求人の集う、ハイキャリア向けの転職サイト。凄腕ヘッドハンターと直交渉できる点が圧倒的強み。→ビズリーチの解説記事
卒業後3年以上の勤務経歴ありの方
パソナキャリア:人材派遣会社運営のため、ビジネス面よりも社会事業面が強い。対応が丁寧と評判。→パソナキャリアの解説記事
LHH転職エージェント:世界No.1のアデコの手がける、外資系運営の転職エージェント。両面型コンサルタントのため、提案力や情報の精度に期待できる。求人数よりも情報の正確性や質重視ならオススメ→LHH転職エージェントの解説記事
doda(デューダ):国内No.2のパーソルグループの手がける転職エージェント。良くも悪くも「広く浅く」「何がしたいかわからない…」という、地に足がつかない人向け。転職についてまだ曖昧でわからないことがある方は最初に利用しておきたい。→doda(デューダ)の解説記事
卒業後3年未満(既卒・第二新卒)、フリータの方
就職Shop:国内No.1の人材会社リクルートキャリアの手がける、既卒・第二新卒層向けの就職支援サービス。紹介先には小さめの会社が多く、人間性や人柄重視の運営方針。求人数が圧倒的なのも強み。→就職Shopの解説記事
ウズキャリ:ITベンチャー系の人材会社が運営する就職サポートサービス。経営者自身が第二新卒経験ありで、社員の多くも既卒・第二新卒経験ありなのがウズキャリの強み。また対応に時間をかける方針であるため、じっくりと就職先を探したい方にオススメ。→ウズキャリの解説記事
以上のように、人材会社でもそれぞれに運営方針や、現場で働くひとの価値観も変わってきますので、ぜひ自分の納得の行く働いてキャリアを見つけ出してみてください。