近年では終身雇用制の崩壊から、大企業でも当たり前にリストラが行われる時代となっています。
読者の中には、
「自分もリストラ候補になるのでは…?」
「リストラされやすい人の特徴を知っておきたい」
「リストラされない人材になりたい」
…と考えている人も多いはずです。
そこで当記事では、近年のリストラ傾向から実際にリストラされた人のその後を踏まえた上で、リストラされないためにするべきことや、リストラ候補になった後の対処法などをご紹介していきます。
そもそも、なぜリストラは起こるのか?
まずは「そもそも、なぜリストラは起こるのか?」について、解説していきます。
国内企業の主なリストラ事例を見てみると、以下のような事例が多いです。
- 経済不況による人員削減
- 売上低下による経営赤字
- 会社の倒産(小さい会社の場合)
多くの場合、経済不況による赤字や経営難などが原因で、リストラが決まります。
最近では、コロナの影響でANAのリストラが発表されたことも記憶に新しいはずです。
参考リンク:ANA大リストラ決行へ、グループ中核の「本体」の事業を縮小 | ダイヤモンド 決算報 | ダイヤモンド・オンライン
また、中規模以下の会社であれば、ギリギリの経営状態で回っていることがあるため、何かの拍子で一気に倒産まで追い込まれてしまい、強制的に従業員全員が解雇されてしまう…なんてこともあります。
最近では「黒字リストラ」も増えており、これは会社で大規模な組織改革で効率化が行われる際、給料を多くもらいすぎている社員や、新たしい社内環境に必要ないと判断された社員が対象となりやすいです。
参考リンク:拡大する「黒字リストラ」対象は誰? 「働かないおじさん」以外も安泰じゃない(横山信弘) – 個人 – Yahoo!ニュース
いずれにしても、終身雇用が安定しなくなった今、経済不況や組織改革などの影響で、誰もがリストラされるリスクを抱えている時代になったと言えるでしょう。
リストラされやすい人の性格は?
素直な性格の人やおとなしい人
あくまで「変化に対応できない人材がリストラされやすい」というのは、経営目線の話です。
実際には、多くの企業には与えられる仕事をこなすだけの人材や、社内ニートのように時間を持て余す人材がいて、すべての人がリストラされるわけではありません。
職場・現場目線の話で言えば、以下のような要素もリストラするかどうかの判断に関わってきます。
▼リストラされやすい人の性格
- 素直な性格の人
- おとなしい人
- 真面目な人
- 上の命令や指示に反発しない人
リストラの勧告・決定は出来れば誰もがしたくないものですから、上司は出来る限り穏便に済ませたいものです。
ですが、現実はそう上手くは行かず、辞めたくない人をなんとかして辞めさせるという事態になりがちです。リストラの事例を見てみると、自主退職希望を募っておきながら本人が退職希望を出すまで何度も面談を重ねることもあります。
その際、リストラ候補となるのが、上の命令や指示に反発しないような「素直な人」「おとなしい人」「真面目な人」なわけです。
要は「リストラの要求を飲みやすい人かどうか?」も
重視されるわけだな…
会社の経営者や人事が、必ずしも「優秀な人材」や「変化に対応できる人材」を見分けられるわけでもありません。むしろ、派閥争いや性格面の相性を踏まえるとリストラしやすい人を狙って来る可能性も十分に考えられます。
仮に性格面や社内の人間関係面でリストラ候補となった際、自分が辞める必要がない交渉材料として使えるのが「実績」です。
また、万が一会社の理不尽なリストラで退職することになったとしても、変化に対応できる人材として経歴や実績を積み上げておけば、転職市場で通用しやすいので次はより良い会社で働ける可能性が上がります。
実際にリストラ候補になるかどうかは
会社での人間関係や自分の性格も絡んでくるので
万が一に備えて経歴・実績を積み上げておくことも大事なわけだ!
また、近年では働き方改革や終身雇用制の崩壊の影響で、大企業でのリストラも相次いでいますが、その際にリストラ候補になるかどうかも「社内派閥」「今までの実績」などの要素が絡んでくることが予想されます。
リストラされやすい人の特徴は?
リストラ候補にされやすい人の特徴は「変化に対応できない人材」
近年のリストラ候補にされやすい人の特徴や傾向、企業側の経営方針を見てみると、一貫して言われているのは「変化に対応できない人材はリストラ候補になりやすい」ということです。
▼リストラ候補にされやすい人(変化に対応できない人)の特徴
- 挑戦心のない人材
- 定型業務しかこなせない人材
- 自発的に動けない人材
- 成長意識を持たない人材
終身雇用制が崩壊し、IT化により仕事の効率化が進み、働き方の価値観も多様化する社会の中、企業側は新たな時代環境にも柔軟に適応できる人材を高く評価するようになって来ています。
つまり意識が足りない人、主体性に欠ける人は、若くてもリストラ対象になっていくだろう。
変化が激しく、曖昧な時代なのだから、未来に向かって努力を怠る人を、もう企業は見切りをつける、ということだ。
日本は確実に人口減少社会になっていく。
だから、たとえ上場企業であろうと、人を増やし続けたいと思うことはない。今後は効率的に人員の新陳代謝を推し進めるだろうから、「入れ替えられる人材」にならぬよう、年齢にかかわらず、日ごろからの自己研鑽が重要だ。
逆に言えば、会社にしがみついてダラダラ働きながら安定性を得ようとする人材は企業側にリストラ候補にされやすいわけです。
俗に言う「社内ニート・窓際族」は
真っ先にリストラにされやすい人材と言えるな
職場で時間を持て余している「社内ニート・窓際族」と呼ばれる人や、ダラダラわざと遅く仕事をしているような社員、あるいは会社にしがみついて安定性にすがっているだけの社員は、リストラ候補になりやすいと言えるでしょう。
リストラされないために今の会社で意識しておくべきことは?
リストラされないためには、リストラ候補になりやすい「変化に対応できない人材」の真逆を目指す必要があります。
つまり「挑戦心のある」「成長意識を持って仕事に取り組む」人材になればいいわけです。
でも「挑戦心」や「成長意識」みたいな要素って
上の人たちはどういう基準で評価するんですか?
上の人からすれば意識の高さや挑戦心なんて目に見えないし
そんな曖昧なものは評価しようがなくないじゃないですか!
当然ながら、挑戦心や成長意欲などがあって「変化に対応できる人材」であっても、リストラ候補者を決める経営階級・人事からすれば、それはわからないものです。
ただし、経歴や実績などで「変化に対応でき、会社に残しておくべき人材か?」を判断とするとしたら、以下のような要素が高く評価されるはずでしょう。
▼変化に対応できる人材かどうかを見分ける経歴や実績(経営・人事目線)
- どの部署や所属でも安定した成果を出している
- 入社後から積極的な業務に挑戦してきた実績がある
- 周りがやりたくない仕事を率先してこなしている
- 時代に合ったスキルを習得して実戦で活かしている
- プロジェクト単位での仕事へ挑戦した実績がある
これらの経歴や実績は、自分から志願・希望した上で取り組まないと、結果を出せない難しい業務ばかりです。そして、多くの場合は失敗と背中合わせなので、仕事に安定性を求めるだけでは成し遂げられないものです。
時代動向が目まぐるしく変わる現代では、成功するかどうかわからない新規のプロジェクトに率先して取り組み成果を出し続ける人材は、 経歴や実績を見るだけでも、その人の考え方や意識が伝わります。
逆に言えば、面倒な仕事や失敗するリスクを避け、与えられる仕事しかこなしてこなかった人材も経歴や実績を見れば、それだけで判断可能だということです。
与えられる仕事をこなすだけの何が悪いんですか…?
別に悪くはないが現実問題として
事務職などの定型業務は派遣会社に委託するなど
企業は正社員には別の仕事を振るようになっている…
「与えられる仕事=誰でも安定してこなせる仕事」とも言え、マニュアルや研修のしっかりした企業であれば誰でも出来てしまうため、企業からすれば人材の価値はあまり高いものとは言えません。
仕事をこなしながらスキルを身につけるだけではダメなんですかね?
身につけたスキルが他の職場や部署でも通用するならOKかもしれないが
そうでないスキルなら数年後に持ち腐れになるかもしれない…
与えられる仕事をこなすだけでもスキルは身につくので、結果として「変化に対応できる人材」と見られることもあります。
ですが、身につけたスキルが他の職場や部署で通用するかどうかが判別できなかったり、自発的にスキルを身につけた実績がなければ「挑戦して来なかった人材」「自発的に動いてこなかった人材」と評価されてしまう可能性は高くなります。
リストラの前兆が見えたら転職活動を始めておいた方がいい?
文中でお伝えしている通り、リストラされない人は「変化に対応できる優秀な人材」ではありますが、それはあくまで理想の話であり、現実問題としては会社の一方的な都合で経歴・実績関係なくリストラ候補になることもあるかもしれません。
もし、読者がリストラ候補にされていたり、あるいはリストラの前兆が見えているのであれば、すぐにでも転職活動を始めておき、今の会社に残るべきか今よりも良い条件の転職先から内定をもらっておくなどして、リストラに備えておいた方が後悔せずに済むはずです。
リストラの前兆ってどう見極めればいいんですか?
大企業なら計画的に公表することもあるが
そうでない企業なら以下の要素が前兆だと言えるかもしれない…
▼リストラの前兆を見極めるための前触れは?
- 人事や上司が変わり、一方的な人員配置を行っている
- 人件費削減で人員カットを行っている
- 経営方針が変わり人事の方針が変わった
- 企業買収(M&A)で大幅に経営方針が変わった
- 閑職への異動(左遷)が行われた
- 営業所が縮小して意図のわからない人材配置が続いている
これらの前兆が必ずしもリストラにつながるとは言えませんが、会社の経営方針が変わり、人事の人材配置の意図が変わっていることには間違いありません。
ですので、リストラされる・されないに関わらず、変化に対応する意味でも一度しっかりと転職活動を行っておく価値はあると言えるでしょう。
とくに経営方針の大幅変更の際、会社の主なプロジェクトに携われないような配置が行われたのであれば、自分は用済みだと判断されている可能性もあるので、会社を信じすぎることは禁物です。
会社の一方的な都合でリストラされたら
再就職や転職は自己責任になるからね…
そう考えると余裕のあるうちに転職活動しておきたいですね…
リストラが不安で転職活動を始める場合は、今すぐに転職する必要はないので、まずは自分のペースで転職活動を始めることをオススメします。
具体的には以下のことを意識しておき、予期せぬリストラに備えておくといいでしょう。
▼リストラに備えた転職活動のやり方
- 転職サイトに登録して今の自分で採用される見込みのある求人条件を知っておく
- 経歴を整理しながら職務経歴書を最適化していく
- 転職エージェントを活用して担当者と関係を構築しておく
転職活動を早いうちに始めておくことで、万が一リストラ候補となった場合、余裕を持って退職することも出来ますし、良い条件の転職先さえ見つけておけば希望退職することに不安を感じずに済みます。
リストラされる不安に怯えるよりは
転職活動しておいた方が建設的ですもんね…
逆にリストラされてから転職活動を始めたら
リストラされたショックや次が見つかるかわからない不安で
転職先選びを妥協して失敗しがちだ…
転職活動で失敗してしまう人の多くは、退職した後の空白期間から活動を始めるため、条件を妥協してしまって前よりも良い転職先を見つけられないことが増えがちです。
もし、読者の方がリストラ候補にされていると不安に感じていたり、すでにリストラ候補に入っているのであれば、早めに転職活動を始めておくといいでしょう。
リストラされても高年収を維持したいならハイクラス転職を意識しておく
リストラされた際、とくに失敗して転落してしまうのが「転職活動の仕方を知らないで、以前のキャリアを活かせない職場に就いてしまう」というパターンです。