I’m a Perfect Human.
(私は完璧な人間だ)
上司が虚しく言い放った。
私たちは上司の求めるとおり「完璧」を目指した。
しかし、誰一人ついていけず、そのうち部下はみんな辞めてしまった。
きっと、機械のような上司は気づかないのであろう。
「この世に、完璧な人間なんて誰一人いない」という事実に…。
完璧主義の特徴
「完璧主義」は悪いことではありませんが、仕事においては厄介なトラブルを招く性質ともなるものです。出来ることなら「欠点」として捉え、柔軟に対処できるように、改善を心がけましょう。
他者からすれば「どうでもいいこと」にまでこだわる
完璧主義の人は、他者から見れば「どうでもいいこと」にまでこだわります。
- 書類の形式や表現などにこだわるあまり、余計な時間を使う
- 細かいマナーやルールなどにこだわり、仕事が進まない・成果を出せない
- 日常会話において、日本語の細かい誤りにいちいち指摘してくる
- 仕事の目的とは関係ないところにこだわり、無駄に時間をかける
もともと、日本人は完璧主義傾向が強い上に、礼儀を重んじる習慣があるので、自他ともに思い当たる節があることでしょう。ですが、見た目や体裁にばかり時間をかけるあまり、仕事の目的を果たせないのは本末転倒です。
「時間は無限にある」と考えている
完璧主義な人は「時間は無限にある」と考えています。
制限時間内に終わらせることを意識していないため、完璧にこだわってしまうのです。
ひどい場合、完璧にこだわるあまり、職場の残業時間を増やす結果になります。
どんなにきれいで完璧な仕事が出来たとしても「時間内に終わらせることが出来ない」のであれば、それは社会人としては問題があると言えるでしょう。
すべての人を納得させる必要があると考えている
完璧主義な人は「欠点」を嫌います。
仕事では、すべての人を納得させる必要があると考えているわけですね。
誰がどう見ても非のない仕事をしようと考えているので、あれもこれも良くしようとした結果、中途半端に終わったり、あるいは欠点はないのに良いところもない…という平凡な結果に終わってしまいます。
そもそも、仕事において「すべての人を納得させる」ということは、まず無理です。
上司は部下から好かれようと思えば、自分の仕事が増えることもありますし、客に好かれようとなんでもかんでもこなしていては、仕事が終わらないこともあるでしょう。見に覚えのある方は「八方美人」の傾向もあるかもしれません。
仕事においては「あえて欠点をさらけ出す」「嫌われ役を引き受ける」ことも大事ですよ。
自分一人でなんでもこなそうとする
完璧主義な人は、なんでもかんでも自分一人でこなそうとします。
そもそも、一人でもなんでもかんでもしなければならないのであれば、組織で働く意味がまったくありません。
しかし、完璧主義な人は、そんな簡単な事実にも気づけない頭でっかちなので、なんでもかんでも一人でこなそうとするわけですね。
もちろん、端から見れば「何もかも一人で出来ると思っているバカ」なのですが、当の本人は気づきません。
なんでもかんでも一人でこなさなければ気がすまないのであれば、さっさと会社なんてやめて、個人事業主としてやっていけばいいだけの話ですからね。
失敗を許容できない
完璧主義な人は、自他ともに「失敗すること」を許せません。
この世に、失敗しない人なんていません。
であるのに「失敗することが悪い」と考えているから、タチが悪いですね。
ひどい場合には、失敗を恐れて何一つ新しいことに挑戦できないところが、完璧主義の悪いところです。
ルールや規則に縛られすぎている
完璧主義な人は、ルールや規則を絶対だと考えているため、柔軟な判断ができません。
明らかに仕事でルールや規則が邪魔になっている場合も「決まりだから」という理由で、バカ正直に守ろうとするわけです。
学校のバカ教師どもが校則にうるさかったのと同じですね。
自分の頭で柔軟に考えて、自分の責任でルール外の行動をする覚悟がないから、ルールや規則を守ることしかできなくなるんです。
マニュアル通りの完璧主義人間と仕事していては、窮屈で成長する機会すら得られなくなるのです。
”良いところ”よりも”悪いところ”に目が向く
完璧主義な人間は”良いところ”よりも”悪いところ”に目が向きがちです。
なぜなら「出来て当たり前」という前提があるので、良いところを良いところと思っていないのです。
その一方で悪いところには過剰に目がいくため、ネガティブな性格になりやすい傾向があります。
完璧主義の治し方
このように、端から見れば愚かで迷惑極まりない完璧主義の特徴ですが、考え方を変えるだけで改善可能です。
見に覚えのある人は、さっそく実践してみましょう。
「仕事なんてテキトーでおk」と考える
完璧主義を治すためには「仕事なんてテキトーで構わない」と考えるのが手っ取り早いですね。
誤解を恐れずに言えば、世の中の大半の仕事は案外適当なもんですよ。
政治家や公務員ですら、ミスや不正ばっかりですからね。
テキトーな仕事でも、問題が起きなかったらそれよしなのです。
時間内よりも早く終わらせて余裕を持つ
完璧主義の人は「時間をかけて丁寧に仕事する」ことよりも「時間よりも早く終わらせて、余裕を持つ」ことを意識しましょう。
仕事では、かけた時間に成果が比例することなんて、ほとんどありません。
「時間をかければかけるほどよくなる」なんて、ワインの発酵みたいな仕事、世の中にはそんなにありません。
もっとも、世の中には「時間をかければかけるほど良い」と考えているバカも多いので、惑わされないようにしましょう。
評価をもらうべき人を見極める
完璧主義の人は、すべての他人から評価されなければいけないと考えています。
しかし、世の中のすべての人間から評価されるのは、まず無理です。
あちらを立てればこちらが立たず…という状況の方が多いぐらいです。
そんなことは、ちょっと社会経験があれば、誰でもすぐにわかる事実ですからね。
大人であれば「誰に評価をもらうべきか?」をしっかりと考えて仕事しましょう。
「量より質」を心がける
完璧主義をやめるには「量より質」を心がけることが大事です。
量は経験とも言い換えられます。
経験の乏しい人間が何百時間悩んで作品を作ったとしても、先人が1時間でさっさと制作できる作品には及びません。
質はこなした量によってのみ、洗練されていくわけです。
職人や芸術家が”質”を生み出せるのも、それは今まで量をこなし続けた結果であることを知っておく必要があるでしょう。
自分の良いところを伸ばし、他人の良いところを褒める
完璧主義を克服するには、自分の良いところを伸ばし、他人の良いところを褒めて見習いましょう。
他人の悪いところを指摘して悦に浸るだけなら、誰でも簡単にできます。
逆に良いところを見つけ出して伸ばすことは、なかなか出来るものではありません。
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ガンガン他人を頼る
完璧主義の人は、むしろ「自分なんてちっとも完璧じゃねえ!」と開き直り、ガンガン他人を頼りましょう。
スラムダンクで一匹狼の流川くんが、最後の最後で味方にパスを出すようになって「あいつ、成長したな!」という感じで見られていましたが、あれと同じです。
完璧主義で一匹狼タイプの人間が、いざという場面で他人を頼ると、無言の信頼と感動を呼びます。
他人を頼れるようになると「1人×頼れる人数分」の成果を生み出すことが可能です。
もはや、敵なし状態ですよ。
「失敗は当然」と考えておく
完璧主義の人は失敗を恐れます。失敗は怖いものですよね。
ですので「失敗も成功のうち」と考えてしまいましょう。
かの有名なギタリスト「リッチー・ブラックモア」は、ライブではアドリブで適当に弾きまくってましたが、いかなる場面でも「オレはこれが完璧だと思っている」という自信満々のパフォーマンスをしていました。
「失敗しない方法」ではなく、最初から「失敗自体を想定にいれた計画」を実行することで、完璧主義は完璧以上になるんです。
完璧とはダメになる過程の第一歩
そもそも、人間とは完璧とは程遠い、不完全な生き物です。
にも関わらず、完璧を目指すことが愚かしいことです。
”完璧とは、ダメになる過程の第一段階”ってことだ
今日から完璧主義はやめて、もっと人間らしく生きましょう。
完璧に仕事ができないなら転職を考えておくのも手
もし読者が完璧主義で仕事ができないと悩んでいるなら思い切って転職活動を始めてしまうのも一つの手段です。
というのも、単純に世の中には「完璧主義の方が向いてる仕事」と「適当な人の方が向いてる仕事」の両方があるからです。
おまけに、多くの仕事では「必要な知識やスキルも身につかないまま理不尽に未経験の仕事を押しつけられる」ということも多く、そういった職場では完璧主義な人ほど適性を活かしにくい結果となります。
ですので、仕事を完璧にこなした人や完璧主義な性格を活かしたいなら、より自分が活躍できる会社を見つけるためにも転職活動を始めてみるというのも、考え方を変えるための一つの選択肢です。
とくに最近では転職エージェントに登録しておくだけで、無料でオススメの求人の紹介から転職活動に関する相談まで気軽にできるようになっていますので、ぜひ、転職活動を始めてみてください。