「何がしたいかわからない…」
「やりたいことがない…」
おそらく、この記事にたどり着いたあなたは、そう悩んでいるはずです。
私もやりたい仕事が見つけられないまま暗黒のニート時代を経験、今も「やりたい仕事を見つけ出すために、転職・キャリア・生き方の編集者」と化して、なんとか生計を立てている身分でございます。
ちまたのサイトでは「自分を変えよう!」だとか「たくさん人に会おう!」だとか、一重に「アクティブになろう!」みたいな記述ばかりにあふれています。
…が、私はその程度で「やりたいこと」だとか「したいこと」という欲求が湧いたことは、一度足りともありません。
じゃあ、そういう若者が転職してはダメかどうかと尋ねられれば「んなもん、やってみなきゃわかんねえよ」としか、言えません。
もちろん、転職活動においては「やりたいこと・したいこと」が明確な人材のほうが有利かもしれませんが、そうでない人間に一切チャンスがないかと言えば、そういうわけでもありません。
むしろ「やりたいこと」や「したいこと」がない方が、大多数だと思います。
そのあたりの事情も踏まえて、キャリア・転職・生き方の情報発信を行っている、私の視点から見解を書き記していきたいと思います。
もくじ
「やりたいこと」「したいこと」なんか、なくていい
いきなり記事タイトル全否定しちゃいますが、別に「”やりたいこと・したいこと”なんか、別になくていい」です。
そもそもが「別に仕事とか”やりたいこと・したいこと”じゃなくてもよくね?」と思っているからです。
…が、そこに思い至らずに、アレコレ悩んでさまよっている人も、決して少なくはありません。
というのも、最近の若者は以下のような思い込みをしている人が結構多いです。
「夢を持たないといけない」
「好きなことや得意なことを仕事にしなくちゃいけない」
「やりたいことをやらないといけない」
これらのことが、潜在意識で「義務」みたいになってます。
ま、たしかに「夢や目標を持って、それに向けて頑張っている人」はかっこいいですし、憧れもします。
で、メディアもそういう人間をプッシュして、英雄として祭り上げます。
…が、実際は「とくにやりたいことも夢も目標もない」という人間のほうが、世間では大多数です。
にも関わらず、多くの人が「やりたいことや夢、目標がないとダメだ…」と思い込んでいるわけです。
これは話し出すと、心理学・キャリア教育の問題にアレコレつっこまなくなりますし、正直人材業界・教育機関も考えないといけない社会問題でもありますので、また次の機会にでも。
「やりたくないこと」を避けてはいけない
若手の人材に多く見られる傾向ですが「やりたいことはないのに、やりたくないことはたくさんある」というタイプが、結構多くいます。
こういう人は、実際のところは「やりたいことはあるけど、今の自分に出来る気がしない」とか「やりたいことはあるのに、それを実現するための具体的な努力を一切していない」とか、その手の「やらない言い訳ばかりしている人」です。
ネットでよく見る採用に関する愚痴も、ほぼ例外なくこのタイプばかりです。
たとえば、就活生には「リクルートやマイナビの就活方法が悪い!」だの騒いでる人がいます。
そんなに嫌なら使わないで、自分の足でセミナー・説明会・インターンシップに参加したり、あるいは地道に営業活動してすればいいだけの話です。
そういう人は、単純に「まずはやってみて、本当にやりたいことかどうか、判断しよう」と考えればいいだけなのです。
ま、私自身が元はこのタイプですので、今も意識して気をつけています。
以下の記事では、私がそういう精神状態に入った時に書いた記事です。
「ないものねだり」は自己評価を見誤る
「隣の芝生は青く見える」とは言いますが、自分にないものを持っている人を、時に羨ましく感じることは、誰にでもよくあることです。
たとえば「ウチの会社よりも楽しそう」とか「ウチの会社よりも楽そう」とか、相手のことをよく知りもせずに、憧れてしまうことは、よくあります。
そういう心理は得てして「相手のいい面」しか見ていないので、その裏に潜む苦労や汚さを、無視しているだけなのです。
…が、実際問題、世の中では明らかに「得する人」「若いうちに成功する人」と「損する人」「若いうちに上手く行かない人」がいます。
まあ、今の世の中で言えば「コミュニケーション能力のある明るい人」や「行動力もあって、自分の売り込みが上手い人」なんかは、会社からも好かれます。
事実、就活市場でもそういう人材が求められています。
じゃあ、そうじゃない人材は好かれない・求められないかと言うと、決してそんなことはありません。
企業人事もバカではないので中長期的視野で若手人材を育成しているので、若いうちに目立たない「大器晩成型」や「地味だけど、しっかりと仕事をこなしている人」も、しっかり評価してくれています。
ただ、本人が気づかないだけで。
人材市場では「40歳でも、まだまだ未熟で伸び代あり」という評価が下されるぐらい、人生は長いのです。
出来もしない「やりたいこと」「したいこと」よりも「今、出来ること」の方が大事
世の中には、ロクに実力もないくせに「やりたいことをやる!」だとか「したいことをする!」だとか言って、自信満々に仕事を請けてクソみたいな成果物上げて、その後無責任に逃げ出す輩もいます。
俗に言う「安請け合い」ってヤツですね。
私も外注ライターに仕事を依頼することもありますが、WEBライターの仕事は「誰でも出来る!」みたいに思われているせいか、割とそういうナメた態度で仕事している人間も多いです。
別に、私は「やりたいことを仕事にする」「したいことをする」など、言うのは勝手だと思ってます。
…が、理想は理想、現実は現実、仕事は仕事です。
己の力量弁えず、出来もしないことを他人から請け負うのは、社会人・プロとしては失格というほかないでしょう。
そういう「夢だけ人間」なんかと比べれば、今出来ることを地道に出来る人間のほうが、よっぽどマシです。
ただ、これには問題があって「大した実務経験も、実績も、実力もない人材」の場合は、出来ることがないので、仕事にならないのです。
ですので、未経験職への間口が広い20代であれば「やりたいこと」「したいこと」という”熱意”が相対的に重視されるわけです。
まあ、世の中には根拠のない自信でチャンスを掴んで若いうちに結果を出す人間もいれば、コツコツ努力を積み重ねて後年に結果を出す人間もいます。
別に「やりたいこと」「したいこと」なんざ、今出来ることと並行しながら見つけ出せばいいだけの話です。
「将来、自分が出来るようにしたいこと」=やりたいこと・したい仕事→会社の人材育成目標に合わせる
転職活動においては「企業側のニーズと、自分の人材価値を合わせる」ことが、成功の秘訣です。
そうなると、仮に「やりたいこと」「したいこと」がある人は、企業側の人材育成方針と利害を合わせる必要が出てきます。
たとえば、中国語を勉強中の営業職の人が、中国への事業展開を検討している企業に応募すれば、利害が合うので採用確率は高まります。
この場合、本人が中国語が話せるかどうかよりも「学ぶ強い意志がある」ことの方が重要なのです。
こういった事情を踏まえると「何がしたいかわからない」「やりたいことがない」という人は、やや転職活動では不利な面は否めません。
…が、前述の通り「やりたいことやしたいことがない若手は、かなり多い」という事情もあるので、別に気にすることでもありません。
そんなものは、仕事しながら見つけ出せばいいのです。
私自身、今の仕事は毎日手探りで、自分で見つけた課題をこなしていくだけではありますが、それが結果的に「やりたいこと」「したいこと」になっています。
まとめ
というわけで、私自身の仕事の哲学や経験も交えて「転職したいけど、何がしたいかわからない」というテーマでお届けしました。
答えを書いても読者のためにならんので(人それぞれなので)、参考になりそうな心理状態・事例・考え方を抜き出して、紹介する形となっております。
今一度、今回紹介したことをまとめておきます。
- 「やりたいこと・したいこと」は無理に持たなくていい
- ただし「やりたくないこと」を避けてはいけない
- 「ないものねだり」はしないこと
- 「今、出来ること」の方がよっぽど大事(ただし、若いうちは根拠のない自信も必要)
- 「やりたいこと・したいこと」を企業側のニーズに合わせる必要もある
一言で言えば「無理にやりたいこと・したいことは持たなくていいし、そんなものは今出来ることをしっかりこなしながら、じっくり見つけ出せばいい」ってことです。
とくに最近の20代は「地に足がつかない、ふわふわ状態」な人が多いかもしれませんが、別にそれは珍しいことでもないので、ぜひともじっくりと考え、かと言って怠けすぎず、自分の使命を見つけ出してみてください。
転職エージェントを有効活用して、自分のしたいことを見つけ出すのも手
転職活動をしている人には「自分が何がしたいかわからない」という方も、実際は少なくはありません。
そこで心強い味方になるのが、転職エージェントです。
転職エージェントの解説記事はこちら
転職エージェントのしくみについて詳しく知りたい方→転職エージェントの仕組み・特徴・メリット・デメリットを徹底解説!転職サイトとの違いは?
転職エージェントに関するよくある質問→転職エージェント初心者向けのよくある質問!読んで登録前の心配を解消しておこう!
2016年には「キャリアコンサルタント」が国家資格化しています。
今後はますます「自分に合った働き方」「自分に本当に合った仕事」を見つけ出すためのプロのアドバイザーが、増えていくことかと思います。
この記事を最後まで読んでいるような方は「すぐに転職する気はないけど、ゆくゆくは転職を考えている」というスタンスで、転職エージェントと付き合うといいかと思います。