「接客業からの転職ってどうすればいいの?」
そうお悩みの方も多いかと思います。
…というのも、接客業は一般職と違って「BtoC(企業と消費者の取引)」事業なので、ちまたの転職情報があんまり参考にならないからです。
一般職の場合「BtoC(企業間取引)」と言って、組織の中の部門毎に行う仕事が共通しているので、転職しやすいんです。
ですので、接客業からの転職を考える場合、一般職とは転職方法が異なるということは、まず知っておいてください。
具体的には、接客業から転職する場合、以下の2つの方針を選ぶ必要が出てきます。
接客業から転職する際の2つの方針
- 接客業の経験を活かして、同業種・職種で転職する
- 接客業の経験をリセットして、他の職業に転職する
ちなみに「接客業」「サービス業」ですが、転職市場では「販売職」「マーケティング職」などと区分されるので、転職サイトを使う際は意識しておきたいです。
(当記事ではわかりやすく「接客業」で統一しておきます)
この記事にたどり着いた方はおそらく「具体的にはまだ転職先を決めていない…」という方も多いと思います。
ですので、上記の2つの方針のメリット・デメリットと、現実的に可能かどうかについてご紹介していきますので、ぜひ転職活動の参考にしてみてください!
接客業から同業種・同職種に転職する場合は?
接客業からの転職を考える場合に、まず意識しておきたいのが「同業種・同職種」での転職。
元々、接客業自体が離職率の高い業種・職種ですので、同職種での転職自体は難しくないです。
離職率とは辞める人の割合のことで、人の入れ替わりが激しいという意味です。
辞める人が多い分、入社するための難易度も下がるということです。
とくに店舗マネージャー(店長)経験さえあれば、まず転職先は見つかります。
なぜなら、基本業務内容自体は同じなので、今までの経験を活用しやすいからです。
さらに接客業のマネージャークラスの人材は、新店舗展開の度に需要があるので、慢性的に人手不足になりやすいという事情もあります。
接客業から同業種・同職種に転職するメリットは?
接客業から同業種・同職種に転職する場合、今までの経歴をフルに活かせるので、単に今の会社から離れたいだけなら、もっともオススメできる転職プランだと言えます。
- 今までの経験を活かせるので転職しやすい
- 業種を変えることも可能
- 場合によっては昇進も狙える
- フリーターからの転職も容易
経験を活かせるので、違う職場でもなじみやすく、転職しやすい
接客業でも、店舗マネージャー(店長)クラスの経験さえあれば、まず同職種・同業種での転職はしやすいと言ってもいい部類だと言えます。
店長クラスは、他の店舗に移っても仕事がこなせるように教育されています。
ですので、基本さえ出来ていれば、単に属する企業や取り扱う商品が変わるだけで済むからです。
接客業の店舗マネージャー(店長)クラスに求められる能力
- アルバイトをまとめ、店舗を運営するマネジメント能力
- 店舗の売上を伸ばすための、細かい工夫や改善に関する能力
- 上記の能力を、他の店舗毎で安定して実行できる適応力
以上のような基本さえ出来ていれば、転職活動での自己アピールも有効活用出来ますので、転職のハードルは高くはないでしょう。
場合によっては業種を変えることも可能
接客業から転職する場合、職種は変えられなくても、業種は変えられる可能性はあります。
例としては、
「飲食業→小売業」
「スーパー→ディスカウントストア」
「コンビニ→飲食業」
…など。
接客業・店長の仕事と言っても、業界ごとにそれぞれ特徴や待遇なども変わってくるので、業界分析さえしっかりして事前に勉強しておけば、まずなんとかなる範囲の転職だと言えます。
場合によっては昇進も狙える
接客業の仕事は、組織構造上、店長クラスからの昇進は激戦区となりやすいです。
それも大手クラスとなれば「大卒者優先」「売上重視」など会社ごとに方針があります。
上のポストが空かなければチャンスが巡ってこないこともあります。
ですので、会社の方針や人員状況によって割を食っている方も、少なからずいるはずでしょう。
この場合、必ず転職活動しておきたいパターンです。
接客業に関わらず、社内状況によって割を食っていてもっと上の仕事を任されないだけの人は、転職業者側がもっとも欲しい意欲の高い人材ですので、転職エージェントに相談すれば、まず優先的に対応してもらえます。
接客業フリーターからの転職も比較的容易
接客業からの転職を考えている方は、フリーターの方も多いと思います。
接客業の場合、フリーターからの正社員への転職であれば、そこまで難しくないと考えていいでしょう。
シフトリーダークラスの経験者であれば、現場マネジメント(バイト人員の管理・指導)の経験はあるので、その経験は転職活動でも有効に活用できます。
元々、フリーターとしてのシフトリーダーはかなり割を食っている立場ですので、社員になる意志さえあれば、正社員として転職するのは難しくないでしょう。
ただし、正社員としての責任が伴ってくるので、フリーターから正社員になる覚悟が必要な点は、しっかり覚えておきたいです。
接客業から同業種・同職種に転職するデメリットは?
- 接客業特有のストレスからは逃れられない
- ブラックな職場になりやすい職種なので、待遇面の妥協が必要
- キャリアアップ転職は望めない
接客業特有のストレスからは逃れにくい
接客業からの転職を考える場合、多くの方は「クレーム対応に疲れた…」など、接客業特有のストレスに悩んでいるかと思います。
しかし、同職種・同業種での転職の場合、まずそのストレスからは逃れられません。
もちろん、客層の悪い店舗から良い店舗へ転職するのであれば、多少は緩和できるかもしれません。
ですが、根本的なストレスの解決は無理ですので、これは妥協するしかないでしょう。
ブラックな職場も多いので、待遇面を重視しにくい
接客業に分類される「小売業」「飲食業」は、ブラックな職場が多いのが実情です。
ですので「土日祝完全休日」「決まった時間に出勤」などの要求は、まず通らないです。
接客業には以下のような構造上の問題があるので、少しのきっかけでブラック勤務になりやすいからです。
- バイトの人員次第で連日出勤が増えやすいから
- 離職率が高い業界なので、急な欠員が出やすいから
- 店舗ごとに仕事するので、他の社員同士でフォローが利きにくいから
もちろん、企業側もこういった事態は想定して対策はしているはずですので、ブラックすぎる職場になることはないとは思います。
ですので、転職する際にはしっかりと企業側に「人員不足時の対策」や「連日出勤の頻度」などを確認しておくといいでしょう。
「ブラックな企業を避ける」というよりは「ブラックにならないようにどのような取り組みをしているか?」という視点で転職先を探してみると、上手くいくはずです。
キャリアアップ転職は望めない
接客業からの同業種・同職種へ転職する場合、キャリアアップ転職は望めないです。
キャリアアップ転職とは「今の自分の職種の立場から、一つ上のランクの立場として転職出来る」という意味合いです。
たとえば「接客業の現場仕事から、本社勤めのデスクワーカーになりたい」という形での転職は、かなり厳しいです。
また、店長クラスから他社のエリアマネージャー・SVとしての転職も、まず無理でしょう。
それがなぜかと言うと、接客業(小売・飲食業)の仕事は店舗ごとに仕事内容がしっかり分けられているため、横すべりに人材を入れ替えるのは容易ですが、下から上へ移すのは難しいのです。
ただし、前述の通り「社内状況によって昇進・出世のチャンスが低い企業から、高い企業へ移ること」は可能なので、そこはしっかり応募先企業に確認しておきたいです。
接客業から他の職業(異業種)へ転職する場合は?
接客業から他の職業(異業種)へ転職する場合、考えておきたいのが「他の文系職への転職」という方針です。
接客業の場合、広い意味で「文系職」に含まれるので、間接的に経歴を活かすことが出来ます。
→メイテックネクストの特徴と強みを徹底解説!転職者の口コミや評判はどうなっている?
一般的な文系職は、以下のような職種。
- 営業職
- 事務職
- 総務
- 経理
- 企画
- 広報
一般的なオフィスで働くサラリーマンやOLへの転職をイメージしていただければ、わかりやすいかと思います。
一方で、接客業から文系職以外の職種・業界へ転職する場合は、技術習得の必要があるため、以下のような人手不足の業界を選ぶのが現実的な手段になってきます。
- IT・WEB系の仕事(技術者)
- 介護士など(国の支援や資格が必要)
接客業から異業種へ転職する場合、若ければどうにかなる可能性がありますが、未経験職への転職が厳しくなる30代以降はかなり厳しいです。
接客業から他の職種・業種へ転職するメリットは?
接客業から他の職種に転職する場合は、以下のようなメリットに期待できます。
- 職場環境を大幅に変えることが可能
- 待遇・給与面の改善が見込める
- キャリアの軌道修正が利く
もっとも、異業種への転職を考えると、可能性の話ならいくらでも出来ますが、現実問題として転職できる職種・業種は限られてきます。
ですので、デメリット面もしっかり踏まえ、現実的に「自分でも異業種への転職は可能なのか?」は考えておきましょう。
職場環境を大幅に変えることが可能
接客業から異業種への転職を成功させれば、職場環境を大幅に変えることが可能です。
接客業(販売職・マーケティング職)は、元々が「一般職の人が休みの時が繁忙期」という性質を持っています。
ですので「土日休業」「定時出社」という条件であれば、簡単に満たせます。
また、一般職の場合は同じ社内の中で仕事するわけですので、社員同士の連携やつながりも強くなるので、店舗管理を社員数人で任される接客業の仕事と比べれば、会社との結びつくも強くなります。
待遇・給与面の改善が見込める
接客業から他の職業に転職することで、待遇・給与面の改善が見込めます。
たとえば、未経験者でも採用されやすい営業職であれば、成果報酬(インセンティブ)ありの会社であれば、理論上は「月収50万円」「年収1000万円」も達成可能ではあります。
また、小さめの安定した企業であれば、転勤なしの会社も選べます。
とくに若いうちであれば未経験職でも採用されやすいため、会社選びさえ間違えなければ、待遇・給与面の改善は十分可能です。
キャリアの軌道修正が利く
接客業から他の職種・業種へ転職するメリットは、キャリアの軌道修正が利くことです。
転職市場では一般的に「一貫した経歴」が求められるため、30代以降からはしっかりとしたキャリアプラン(=将来設計)を練っておかなければ、他の職種・業種に転職するのは難しいのが現状です。
しかし、20代の場合は「既卒・第二新卒」扱いとなり、未経験職へ挑戦することもしやすい社会状況になっているので、まだキャリアの軌道修正が利きやすい時期です。
ですので、まだ若い方で「将来設計を見直したい」「接客業として一生働いていける自信がない…」という方であれば、将来設計の軌道修正をする意味でも、早いうちに転職活動を始めておくのがいいでしょう。
接客業から他の職種・業種へ転職するデメリットは?
接客業から他の職種・業種に転職する場合、可能性の話ならどうとでも言えるので、知っておきたいのは「デメリット=現実」です。
接客業から他の職種・業種へ転職するデメリット
- 若いうちでなければチャンスがない
- 経験を活かしにくいので採用ハードルが上がる
- 場合によっては技術習得・職業訓練の必要あり
- 職種・業種は選べる分、他の要素は妥協せぜるを得ない
場合によっては「今の会社にいた方がマシ」「今までの経歴を活かして同職種・同業種で転職した方が待遇向上を狙える」かもしれません。
ですので、接客業から他の職業に転職するにしても、まず最初に「同業種・同職種で転職した場合の給料・待遇の相場は?」と踏まえておきたいです。
そういう意味でも、大手転職エージェントを活用して求人を受け取っておき、しっかり見極めておくことを強くオススメいたします。
若いうちでなければチャンスがない
接客業から他の職種・業種に転職する場合、若いうちでなければチャンスが得られないのが実情です。
とくに人材サービスのサポートを受ける場合、未経験職への転職は「20代」でなければ、まず受けられません。
これは、企業側が30歳以降は明確に「経歴・経験・実績」を求めだすからです。
また、未経験職への転職も20代だからと言って誰でも可能なのではなく、既卒・第二新卒に含まれる「卒業3年後」から外れる20代後半以降は厳しいものとなってきます。
ですので、20代後半以降で接客業から未経験職への転職を考えている方は「現実的に他の職業へ転職可能か?」を見極め、同時に「経歴を活かして同職種・同業種で転職した方がメリットが大きくないか?」も知っておきましょう。
経験を活かしにくいので採用ハードルが上がる
接客業から他の職種・業種に転職する場合、今までの経験を活かしにくいため採用ハードルが上がるのが一般的です。
転職市場では「今までの経歴や実績」が評価されるので、転職したい業種・職種に対応した経歴・実績がなければ、まず求人すら紹介してもらえないのが実情です。
大手転職エージェントも、機械的に登録した経歴から紹介できる求人を抽出しているので、経歴・実績・年齢が合致しなければ、紹介してもらえる求人自体が極端に少なくなります。
※ただし、接客業経験さえあれば、フリーターでも紹介してもらえる求人自体は多めです。
そうなると、実質的に未経験職への転職で有効になってくる要素は、以下のような「人柄・人間性」の部分になってきます。
- やる気やモチベーション
- 行動力
- 社会人・大人としての基本的なマナー
- 仕事に対する心構えや考え方
- 過去の仕事以外での努力・経験
とくに既卒・第二新卒向けの就職支援サービスでは、こういった人柄・人間性重視でのサポート・採用方針が重視されている傾向にあり、人材サービスのアドバイザーや紹介先企業の人事と密接にコミュニケーション出来る能力も求められてきます。
場合によっては技術習得・職業訓練の必要あり
接客業から他の職種・業種に転職する際、場合によっては技術習得・職業訓練の必要が出てきます。
どういうことかと言うと「会社側に教育する余裕がなければ、未経験者は採用されくくなる」ので、選べる職業の選択肢が極端に狭くなるのです。
ですので、この場合の方針としては「職業訓練と就職支援、どちらも行っている人材サービス」を利用するのが現実的な手段となってきます。
具体的には以下の通り。
職業訓練・就職支援、どちらも行っている業者の例
- 職業訓練(スクール・通信講座)も行っている人材サービスを利用する(「ウズキャリ」など)
- 通信講座・スクールなどで、就職支援も行っているサービスを利用する
- 国や民間企業が運営する「職業訓練校」を活用する
- 派遣会社で働きながら、キャリアアップ支援を受ける
職業訓練から受けて就職・転職を目指す場合、時間と費用がかかることになる点は注意です。
職種・業種は選べる分、他の要素は妥協せぜるを得ない
接客業から他の職業へ転職する場合、職種や業種を選べるのは確かです。
ただし、他の要素は妥協せざるを得ない点には注意です。
仮に今の接客業の仕事で不当に給料や待遇が悪かったり、明らかにブラックな職場であれば、転職すれば状況は良くなります。
ですが、今の環境が「割と恵まれている」場合は、転職しても状況が悪化する可能性もあり得るのです。
とくに大手企業グループで働く方の場合、待遇や給与面はそこまで悪くない企業も少なくないので、冷静に見極めたいところです。
一方で、大手なのにビックリするぐらいブラックな企業もあるので、そこは冷静に転職活動しながら見極めましょう。
接客業から同業種・同職種に転職するなら大手転職エージェントの利用がオススメ!
接客業から同業種・同職種での転職を考えるのであれば、大手転職エージェントを使っておけば、まず間違いないです。
転職エージェントとはプロのアドバイザーがオススメの求人を紹介してくれるサービスですが、実質的には転職サイトの役割も持っているので、今は面談参加する気がなくても登録しておく価値ありです。
とくに大手転職エージェントは、小売業・販売職などの求人紹介は非常に強いので、フリーター経験からでも紹介してもらえる求人がかなり多めです。