使えない部下の特徴と対処法。言うことを聞かない部下は辞めさせるべきか?

「部下が使えない」
「部下が口答えしてムカつく…」
「部下のせいで自分の仕事が増えて苛立つ」

先輩・上司として後輩や部下を指導する立場になると、必ずと言ってもいいほど「使えない部下」に悩むことになります。

しかし、昨今ではハラスメントに対する風当たりが強く、上司と言えど部下には中々強く言えない情勢になってきております。

また、法律で考えてみても、どんなに無能であっても社員を辞めさせることは非常に難しいのが現実です。

要は、どんなに使えない部下であっても、なんとか使いこなすしか選択肢はないのです。

そこで当記事では、現実的に部下を辞めさせるのが難しい理由を説明しつつ、部下を上手く使うための知恵をご紹介してまいります。

「使えない部下を辞めさせる」という考え方は厳禁

この記事に訪れた方の中には、あまりにストレスを抱えて「使えない部下を辞めさせたい!」と思っている方もいると思います。

筆者も、無能な人間は大嫌いなので、潰して辞めさせたくなる気持ちは痛いほどわかります。

しかし、最近はハラスメントに対する風当たりも強い上に、ハラスメントに対する告発の仕方までネットで簡単に調べられる時代になっているので、絶対にやめておくべきです。

また、ドライに「使えない部下を辞職に追い込んだ結果、相手に恨まれて法的手段に出られた場合」についての損得勘定も考えてみましょうか。

使えない部下を感情的判断で辞めさせるまで追い込んだ結果、ハラスメントの告発・労働監査所に駆け込まれるなどの対処をされ、自分自身だけでなく会社まで巻き込まれて足を引っ張られてしまえば、最終的には使えない部下が怠けている以上の損失と心労を被ることになります。

そこまで計算できる方であれば、使えない部下を辞めさせることはリスクの方が高いとわかるはずですので、まずは冷静になってください。

使えない部下の特徴

まずは使えない部下の特徴をまとめて紹介します。

社会常識・マナーがない

もっとも使えない部下は、社会常識やマナーが欠けています。

敬語が使えない、挨拶やお礼が言えない、上下関係を守れない、電話に出ない、報告を怠る…など。

まさに「親の顔が見てみたい」と言いたくなる、非常識のオンパレードですね。

どんなに仕事ができても、基本ができない人間は社会に必要ありません。

こういった社会常識やマナーの教育は、家庭環境などで身にしみていることも多いため、いくら指導しても治らないのが困りモノです。今まで一体、学校で何を学んできたんでしょうね?

人の話を聞かない

使えない部下は、人の話を聞きません。

また、聞いてるように思わせるために「はい」「わかりました」など、上辺の返事だけしかしないのも特徴ですね。

そのため、上司の意図とはかけ離れた、身勝手な行動を平然と行い、職場に迷惑をかけます。

人の話を聞かない部下は、出世チャンスなしどころか、顧客とのコミュニケーションもまともにとれないため、極めて仕事のできない人材と言えますね。

自分から行動しない

使えない部下は、とにかく自発性がありません。

指示待ち人間、何も指示しなければすぐにサボりだします。

自分から行動できない人間は、まるで親に言われなければ何も出来ない、甘ちゃんです。

あなたは部下の親ではありません。

そんな子供のような部下は放っておくのも手でしょう。

指示した仕事すらできない

また、さらに使えない部下ですと、言われたことすらまともにこなせません。

指示したことすらできない人間は、もはや社会人失格です。

指示したことすらできないのであれば、もはやどうすることも出来ませんので、自分の責任だと気にせずに、採用・配置した人事を責めましょう。

言い訳が多い

使えない部下は、生意気にも言い訳やゴタクを並べてきます。

たまに正論を言ってくる小賢しいタイプもありますが、行動で示していなければ説得力ゼロの、口先だけの大言壮語タイプです。

「口を動かす前に手を動かせ」と、言ってやりましょう。

報連相ができない

仕事が出来ない使えない部下は、報連相の概念が欠けています。

勝手に一人で自分自身な判断をしたり、重大なミスを隠したりします。

報連相が出来ない部下は、言わば怪我をしても脳まで痛みを伝えないような、社内を不全に陥らせる病気のようなものです。

使えない部下の対処法

以上のように、思い出すだけでもイライラする使えない部下ですが、上司としては冷静に対処して、なんとか使い物にするしか道はありません。

そのための考え方や知恵をご紹介していきますので、ぜひとも参考にしてみてください。

「部下は使えなくて当たり前」と割り切る

大前提としては「部下は使えなくて当たり前」と割り切ることが、まず大事でしょう。

働きアリの法則」に代表される通り、集団においては「2:8:2」という比率で「有能:平均:無能」という比率で、人材の能力分布が別れてしまうものなのです。

  • 働きアリのうち、よく働く2割のアリが8割の食料を集めてくる。
  • 働きアリのうち、本当に働いているのは全体の8割で、残りの2割のアリはサボっている。
  • よく働いているアリと、普通に働いている(時々サボっている)アリと、ずっとサボっているアリの割合は、2:6:2になる。
  • よく働いているアリ2割を間引くと、残りの8割の中の2割がよく働くアリになり、全体としてはまた2:6:2の分担になる。
  • よく働いているアリだけを集めても、一部がサボりはじめ、やはり2:6:2に分かれる。
  • サボっているアリだけを集めると、一部が働きだし、やはり2:6:2に分かれる。

出典:働きアリの法則|Wikipedia

この法則に照らし合わせるのであれば、5人中1人は「絶望的に使えない部下」がいても、なんらおかしくはないわけです。

また、厚生労働省の離職率を見てみても、大卒新入社員ですら3年以内には3割ほど辞めており、割合的に脱落者が出るものなのです。

昨今、ハラスメントに対する風当たりも強くなっており、ひどい場合には「ハラハラ」と言われる、過剰なハラスメント紛糾により面倒事を抱えるリスクもあります。

また、以下の本のような「社畜ディス=正社員の在り方を批判する風潮」も2010年代以降になって活発化しています。

このような「とりあえず正論を言っておけばどうにかなる」という考えに感化され、現実と理想論を切り分けて考えられない若者も増えているので、こういった価値観を理解しておくのもいいでしょう。

いずれにせよ、働くことや会社の在り方に対する求心力が失われている時代ですので、そういった価値観の若者に働く意義や社員としての在り方を示すことも、上司や先輩に問われる人間の資質のひとつと言えるはずです。

何度も言って聞かせる

使えない部下に対しては、何度も言って聞かせておくことも大事でしょう。

使えない部下・理解力のない人間というのは、10言っても1も理解していないにも関わらず、愚かにも「自分は1聞いて10理解している」と思い込むものです。

ですが、耳にタコが出来るぐらい、何度も何度もうるさく言ってきかせれば、そのうち渋々従ってくれるかもしれません。

人が成長するまでには、時間がかかります。

「部下と自分、どっちが先に折れるか?」の根比べだと思って、我慢強く接することも大事です。

少なからず、先輩や上司が何も言わずに「言わなくてもわかるよね?」という態度で接していては、部下も心を開いて報連相しにくいというものです。

「話し合えばわかる」という通り、対話すれば理解できることも、世の中には多々あります。

自分でやって手本を見せる

使えない部下にイライラする気持ちはわかりますが、それは裏を返せば「自分が部下からまったく信頼されていない証拠」だとも言えます。

上述の通り、最近の若者はまったく会社を信用していないので、必然的にその会社で働く上司や先輩を信用していない状態で入社してきます。

ですので、まずは部下との信頼関係を作ることが大事です。

口先ばかりで指示だけ出しておく上司は、部下からすれば「自分では出来ないクセして口先だけでうざい」「自分で手本を見せろよ」と思われています。

わかりやすく言えば、口で言ってもわからない相手は、結果と行動で黙らせるに限るのです。

ちなみに、戦国時代でも大将が率先して戦場で一番槍として突っ込むことで兵の士気を高めていた一方で、ここぞという時に前線に出ない武将は兵に逃げられるという話が、あちこちに散見されます。

時には部下が行うような雑務も、自分が率先してやってみせて、部下に手本を示すことも上司の努めだと言えるでしょう。

部下の言い分もしっかり聞いておく

使えない部下に対しては、相手の不満や愚痴などの言い分を聞いてやることも、上司や先輩の努めというものでしょう。

しっかり腹を割って話してみれば、意外なとこで部下は悩んでいて、素直に上司に言うことを聞いてくれないだけなのかもしれません。

ちなみに、部下に一切反論させないで叱責する方法を行うと、相手は「自分の言い分も言い訳も聞いてもらえない」と思われるため、かえって逆効果です。

具体例としては、

「入社したてで辛いのはわかるけど~」
「社会人の常識だから~」
「みんな仕事しているのに~」

…など、相手の言い分を聞く前から「お前はこう思っている」「こういう理由や決まりがあるから」などの前置きをして、相手の意見や主張を同調圧力や自分の価値観で予め潰す方法です。

これは、自分の立場で考えてみればわかりやすいです。

たとえば、何かしらの料金をうっかり払い逃してしまった際、相手からの請求の催促で「支払いを踏み倒せると思われているのですか?」「期日までに支払わなければ~」など、暗に「お前に悪意がある」と決めつけられたら、誰もが反感を覚えるものです。

私も一方的にこの事前に反論を潰す方法をやられたら「意地でもお前の言うとおりにしねぇぞ、クソが」と、内心ではキレます。

ですが、相手に悪意がないとわかったり、あるいは仲介者が誠実に対応してくれれば、すぐに考えを改め直します。

それと同じことで、使えない部下も出社している以上は、最低限仕事に対してのやる気はあるはずですので、相手に悪意があるという前提でレッテル貼りするのではなく、まずは相手の不満や愚痴を聞き出すことが大事でしょう。

相手のことを「使えない部下」と思ってしまった時点で、自身の言動の節々にそれは出てくるものですので、これは戒めておきたいです。

※これについては、交渉術の原則的な考え方が役に立ちますので、興味のある方はご一読ください。

徹底して無視する

以上のやり方は、あくまで「部下に改善余地がある場合」に限った方法です。

しかし、現実問題として、使えない部下に対して時間を使えるほど、上司も先輩も暇ではなく、余裕もない状況が大半でしょう。

その場合、他の優秀な人材に対して優先して時間を割き、使えない部下は徹底して無視するのも手です。

筆者は「あ、こいつ何言っても無駄だな…」と思った無能なタイプ・話の通じない人間は、徹底的に無視します。

もちろん、仕事上の報連相は最低限行います。

ですが、それ以外に関しては一切余計な情報を与えないようにします。

上司の時間配分も有限なのですから、伸び代のある部下や生産性のある業務に時間を使うのが、当たり前の判断です。

困ったことに、本当の無能は、自分が無能であることを自覚できません。

それが何を意味するかと言うと、何度言って聞かせたところで、まるで反省しない・理解しないのです。

ですので、何度言っても聞かない・反省しないバカは「存在しないもの」として扱うしか、道はありません。

ハラスメントに対する風当たりが厳しいご時世、何をしてもダメな無能な部下は、無視して最低限しか関わらないことこそが、ただひとつの合理的な選択肢なのです。

逆に言えば「使えない人間には一切期待しないで無視」ということが出来ない人は、自分より劣った人間やダメな人間を無視できておらず、余計な神経をすり減らされている証拠でもあります。

部下に対して「勝手に育ててば儲けもの、脱落すればそこまで」とドライな考え方を持つことも、リーダーに求められる能力なのです。

使えない派遣社員を辞めさせるなら派遣会社にクレームを出す

使えない部下が自社の社員ならともかく、派遣社員の場合は非常にややこしいことになります。

というのも、派遣社員は自社の社員ではなく「派遣会社の社員」…つまり取引先の人材という扱いになるため、正社員・上司の立場であってもあまり強くは言えないからです。

ですが、逆に言えば「取引先である派遣会社に対してクレーム出せばOK」とも言い換えられます。

早い話が、自社から取引先である派遣会社に対して「お前の会社がよこした人材、まったく使えないんだけど?」とクレームを入れればいいのです。

もちろん、派遣会社もそのような事態は想定しているので即刻クビにするのは無理でしょうが、取引先や派遣会社の営業担当者を通じて、使えない派遣社員に圧力をかけることは出来ます。

ですので、あまりに職場の派遣社員が使えないと感じるのであれば、自社と派遣会社の取引関係を調べておき、正当な手段でクレームを通しておくのが大人のやり方と言えるでしょう。

左遷させる・閑職に追い込む

使えない社員を辞めさせるのは法的にも倫理的にも困難なものですが、左遷・閑職して追い込むことは合法的には可能です。

使えない部下が新入社員であれば、まだ若いので転職先はいくらでもあるので、プレッシャーをかければ辞めてくれるかもしれません。

しかし、厄介なのが勤務経歴が長くて、会社にしがみついているだけの寄生虫でしょう。

ですが、企業もバカではないので、そういう「給料泥棒」と呼ばれても仕方ない無能社員が生まれることを想定しており、大きな会社であれば「使えない無能な社員の隔離先の部署=左遷先・閑職」というのを、用意しています。

ですので、社内での政治力・権力・信用さえあれば、使えない部下を左遷させて閑職に追い込むことも、不可能ではないということです。

その使えない部下が閑職に追い込まれて必死になれば結果としてはよし、あるいはそれでプライドを叩き折られて復帰不可能になって辞めれば、あなたの思惑通りです。

ですが、このような黒いやり方をしたら最後、社内でも「あいつは卑劣なやり方で他の社員をハメて落とす人だ」という目で見られますので、それが因果応報となって返ってくるリスクは覚悟しておく必要もあります。