「権力を振りかざす上司に振り回されてうんざり…」
「権限を濫用して威圧してくる上司に疲れてる…」
「脅迫的な態度で部下を動かそうとする上司のせいで職場がお通夜ムード…」
このようにお悩みではありませんか?
組織で働く中で、人望に厚い理想的な上司に恵まれることもあれば、権力を振りかざすしか能がない残念な上司と出会うこともあります。
権力を振りかざす上司は、言い換えると「横柄な上司」「傲慢な上司」「威張った態度の上司」「独裁的な上司」「自己中心的な上司」「権威主義的な上司」「暴君的な上司」「高慢な上司」「圧制的な上司」ともなり、いずれにしてもリーダーシップを感じさせない残念な上司であると思われます。
こういった権力を振りかざす上司が生まれる要因としては、一重に「本人に権力や役職以外の、本質的なリーダーシップや能力がないから」と考えるのが順当でしょう。なぜなら、本当にリーダーシップや上司としての器量や人徳があれば、わざわざ権力をひけらかすとも自然と部下や周りの社員に慕われるからです。
そして困ったことに、権力を振りかざす残念な上司ほど、目下の立場となる相手に威圧的な態度を取って萎縮させるなど横暴な態度を取るので、部下たちにとってストレスの多い職場環境となるのですが、もちろん本人は気づきません。
また、権力を乱用することで、気に食わない部下を過小に評価したり、部下の手柄をまるで自分の手柄であるかのように報告するような行為も平然と行うことから、組織内での従業員同士の信頼関係の崩壊を招くこともあります。
そういった事情を踏まえ、権力を振りかざす上司の特徴や心理、もたらす部下や組織への弊害など解説した上で、権力を振りかざす残念な上司との適切な付き合い方から対処法、どうしようもない時の退職から転職の手順まで、まとめてお伝えしていきます。
権力を振りかざす人の特徴やその心理とは?
画像出典:公益財団法人 21世紀職業財団
パワーハラスメントを一言で言うと「権力で弱者をねじ伏せる野蛮で卑劣な行為」。
パワハラは、暴力が禁止され平和になった今の日本で、最も恥ずべき蛮行であり、大人としての品格と信頼を失う行為だと言ってもいいでしょう。
しかし、残念なことに己の鬱憤を晴らすために、パワハラを行う上司はまだまだ多いのです。
社会人としての品格に欠け、21世紀になっても猿やゴリラレベルの野蛮なパワハラを繰り返す上司の特徴を見ていきましょう。
権力で部下をねじ伏せる
パワハラ上司の圧倒的特徴であり象徴は「権力で弱者をねじ伏せる」こと。
「仕事なめてんじゃねえぞ!!」
「やる気がないなら、帰ってもいいよ?」
「逆らうとどうなるかわかってるよね?」
「そんなんじゃどこ行っても続かねえぞ!!!」
上司・先輩・年上という権限を悪用し、自分の気が向くままに部下の心を犯し尽くす。
21世紀の先進国の日本であっても、未だに昭和のヤンキー気分で仕事をしている上司は少なくはないのです。
感情むき出しで理性に欠ける
パワハラ上司の特徴は「感情むき出しで理性に欠ける」というところ。
- 常にイライラして殺気立っている
- 常に不満そうな顔をしている
- いちいち怒鳴らないと気が済まない
- 部下を威圧して職場の雰囲気を悪くする
いい大人であれば、感情をむき出しにすることが恥ずべき行為であることは当たり前に理解しているでしょうが、パワハラ上司にはそれが理解できません。
また、体育会系の感情をむき出しの職場では、まるで軍隊のような感覚で仕事をしている職場もあるので、注意が必要でしょう。
ビジネスパーソンに求められるのは脳筋戦士のような図太い精神力ではなく、スマートに問題と仕事を片付けられる明晰な頭脳なのですから。
怒鳴り散らして部下を威圧する
パワハラ上司の特技は「威圧」「恫喝」など、部下を恐怖心で支配するという卑劣な方法です。
「は?お前なめてんの?」
「氏ねよ、無能」
「くたばれ、この野郎!!!」
「やる気がないなら辞めれば?」
「働かせてやってるだけありがたいと思え!」
まるで中学生のヤンキーレベルの上司も社会には意外と多く「大人になっても頭の悪い人は大勢いる」と気づかされますね。
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日本の昭和の古い時代には知識も教養もない人間が多く、軍隊式に部下を威圧・恫喝して現場をまとめあげる形式だったそうですが、その時の名残が残っている古風な会社もまだまだ多いので、部下を威圧してくる会社は古くさい会社だと思って辞めてしまってOKでしょう。
これだけ「ブラック企業問題」「ハラスメント行為の禁止」が叫ばれている世の中で、上司が威圧・恫喝を使って部下を指導するのはもはや時代遅れですからね。
命令や指示がただの”脅し”でしかない
パワハラ上司は「命令や指示」がただの「脅し」としてしか機能していません。
なぜなら、人望がないので部下を脅さないと言うことを聞いてもらえないからです。
他人を脅して言うことを聞かせるのは犯罪者のやり口ですが、パワハラ上司も似たような手口を使ってくるから、これはもうたまりませんよね。
そして覚えておいてほしいことは、脅しに脅して精神的に相手を追い詰めて部下をうつ病や過労死に追い込んでも、上司には罰則はありません。
パワハラ上司は「命令・指示=脅し」と同化して、部下を精神的に追い込む人の皮を被った鬼畜なので、命の危機を感じたら逃げましょう。
公開叱責で部下に恥をかかせる
パワハラ上司もレベルが上がってくると「人前で叱責・説教」など、部下の心理や罪悪感を巧みについたハラスメント行為を行ってきます。
「なんで君だけ仕事遅いの?他のみんなは出来てるんだけど?」
「君がみんなの足引っ張ってるんだけどねぇ…」
「どうして何度言ってもわからないのかな~。何度言ってもわかってないの君だけなんだけど?」
「みんなに迷惑かけてんじゃねェぞ!!オラ!!職場のみんなに土下座しろ!!」
これは叱責される側からすれば、もはや精神的公開処刑・リンチのようなもので、その辱めたるや想像を絶するものです。
もはや、社内での公然精神陵辱とも言うべき行為ですので、社員の前で恥をかかせてくる上司からは「ああ、私は犯罪者に出会ってしまったんだ…」と割り切って逃げましょう。
「給料ドロボウ」が口癖
パワハラ上司が好きな台詞が「この給料泥棒がァ!」という脅し文句です。
ハッキリ言って、給料を社員に与えるのは上司ではなく経営者ですので、これは上司が言うべき台詞ではありません。
これも部下に「その程度の仕事でお金もらって恥ずかしくないの?」と罪悪感と辱めを与える行為なので、真に受けてはいけません。
ただし、例外は経営者自らが「給料泥棒」と罵ってくるケースの場合です。
ぶっちゃけ、会社は経営者が絶対的王者の所有物なので、これは逆らっても即解雇されるリスクがあります。法的に訴えれば勝てる可能性もありますが、わざわざ裁判してまで屈辱を晴らすべきかというと、そこまでするメリットは皆無です。
ノルマが異常すぎる
パワハラ上司の悪質なやり方は「圧倒的ノルマの暴力で部下をねじ伏せる」ことですね。
とくに新人時代は「どのぐらいの仕事量が適性なのか?」を判断できないもの。
その新人にどう考えても新人ではこなせい仕事量やノルマを課し、真面目にやっている部下に無能感を植え付けるのが、パワハラ上司の基本的な手口。
極めつけに「この程度も出来ないの?」「私が新人の時はこれの3倍こなしてたよ?ったく最近の若者は…」などと威圧して、罪悪感を植え付ければ洗脳完了。
しょぼい仕事で閑職に追い込み無能感を与える
逆にパワハラ上司のセコいやり口は「あからさまに過小な仕事を与えて部下の居場所や自信を奪うこと」ですね。
具体的には、以下のようなケースは、あきらかに嫌がらせだと考えもいいでしょう。
- 本来の仕事を長期に渡って取り上げられる
- 草むしりや掃除などの無駄な仕事ばかり押しつけてくる
- 「お前はもう仕事をするな」と言って、部下を完全放置
ただし、これについては「業務の範囲が明確でない」「”能力”が客観的に評価できない」という問題もある上に「左遷・閑職への追い込み」など大人の陰謀ももろに絡んでくるので、社内の政治上の問題や上司の権力を冷静に見極める必要もあるでしょう。
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職場全体で無視を決め込む
パワハラ上司はその権限と暴力性を駆使し、職場全体で特定の部下1人を無視する手口を使ってきます。
ここまで来ると、もはややってることが中学生のいじめレベルですので、真面目に仕事するのもバカらしくなってきますね。
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プライベートに口出ししてくる
パワハラ上司は権力で部下のプライベートまで侵略したがっているので、個人的な領域にまで踏み込んできます。
パワハラ上司のプライバシーの侵害例
- スマホを勝手に触る
- プライベートの交際関係についてしつこく聞いてくる
- 家庭環境についてしつこく聞いてくる
- 個人用の連絡先の交換の強要
- 休日にまで仕事の連絡をしつこくしてくる
- 「学生時代の異性の友人紹介して」
- 趣味についてとやかく言ってくる
これも「お友達感覚で仕事」「公私を分けられない幼稚な大人」と社会人として恥ずべき行為ですが、当たり前に行ってくる大人も多いです。
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暴力を振るう
パワハラ上司の中には、暴力を振るうタイプもいます。
暴力は犯罪行為ですので、問答無用で許すまじでしょう。
とくに昭和世代は軍隊式の体罰が当たり前の時代に生きている人も多いので、平然と人を叩いたり物を投げる人も一定数います。
そういう人間は時代についていけない野蛮人ですので、法的手続でスマートに社会から退場させましょう。
パワハラ上司から身を守るためには?
権力で部下をねじ伏せる憎きパワハラ上司ですが、身を守るためには「大人の自衛策」を身につけるしかありません。
しょせん、会社も弱肉強食の世界ですので、弱者は排除される運命なのです。
一番やってはいけないのは「真っ向から対立する」「私的な恨みを晴らす」など、同じレベルで対立してしまうことですね。
部下がパワハラ上司と真っ向から戦っても、まず勝てません。
そのため、大人らしくスマートに身を守り、憎き上司に復讐するために力を蓄えておきましょう。
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社内政治で優位に立つ
パワハラ上司から身を守りつつ、社内での出世コースを確保しておきたいなら「社内政治」を意識しましょう。
政治と言っても「派閥」「社内の対立関係」を把握して、上手く立ち回ればOK程度の話です。
歴史的に見ても、偉人ほど理不尽なパワハラに耐えてきた経緯があります。
源頼朝:家族や親族を殺してエラソーにしている平清盛と謁見、子供ながら涙を流し同情を誘う迫真の演技で死罪を免れた。その後、島流し中に力を蓄え憎き平家を滅ぼした。
徳川家康:上司(信長)から息子に切腹を命じられるも甘んじて受け入れた。また次の上司(秀吉)から故郷を離れてド田舎の江戸に左遷されるも、今や首都になるほどの反映っぷりを見せた。ついでに上司の息子の家は徹底的ぶっ潰した。
パワハラ上司より偉くなって、一族郎党皆殺しにしてやる気持ちで、出世しましょう。
コンプライアンス部門に密告する
パワハラ上司の被害にあった場合、まずは社内のコンプライアンス部門に相談しましょう。
ただし、コンプライアンス部門がしっかり仕事してくれるかどうかを事前に確かめておく必要もあります。
とくに日本の企業は事務的で「ただ設置しているだけの名ばかりコンプライアンス部門」も少なくありません。
コンプライアンスがバカですと、パワハラ被害について密告しているのに、なぜかパワハラ上司本人に「こんな報告があったのですが、本当ですか?」と火に油を注ぐような真似をしてくるケースもあるそうですね。
また、小規模の会社ですとコンプライアンス部門自体がない場合や、そもそもパワハラ上司が経営者や役員などのケースもありえるので、その場合は外部の機関に頼らざるを得ません。
行政機関へ外部告発する
パワハラ被害にあった場合、行政機関(厚生労働省など)に告発するのもありでしょう。
ただし、これも外部の機関にどうこう言われてパワハラ上司の性格が変わるほど世の中甘くはないので、あまり期待しすぎないほうがいいでしょう。
最悪、職場内で「誰がちくった?」と疑心暗鬼になってますますパワハラが助長するケースもあるので、覚悟を決めて告発しましょう。
とはいえ、厚生労働省の期間であれば精神面のケアなどには期待できるので、パワハラ被害に耐えかねている場合は相談しておきましょう。
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転職して関わらないようにする
パワハラ上司の対策のオススメは、転職して二度と関わらないようにすることです。
ハッキリ言って、今どきパワハラ上司を放置している会社なんて、わざわざ長く勤めるメリットはありません。
パワハラ上司のもとで働くと、仕事のパフォーマンスが低下しますし、ストレスで精神を病むリスクもあります。
また、プライベートに干渉してくるタイプのパワハラ上司と働くと、自由な時間もなくなり、精神・肉体ともに侵食されてしまいます。
今どき、パワハラ上司がクソという理由で転職した人は珍しくもないので、よっぽどの大企業や将来性のある会社でもなければ、転職を考えておいたほうがかしこい選択肢だと言えるでしょう。
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パワハラ上司が理由で転職する場合の方法は?
ただし、パワハラ上司から逃げて転職する場合は、ある程度次のことを考えてからの方がいいです。
パワハラ上司がいかにひどい人間であっても、他所からすれば「上司から逃げてきた」「コミュニケーション能力に問題あり」と思われかねないので、そのマイナスイメージを払拭できるように心がけておくといいでしょう。