「職場の仲良しごっこに付き合うのは疲れる…」
「職場の人間関係が馴れ合いばかりで仕事がはかどらない…」
「同期の表面上の仲良しごっこが気持ち悪く感じる…」
このようにお悩みではありませんか?
社会人になると、自立心を持って各々の役割を果たすことが仕事ではあります。
ただ残念ながら、社会人になっても派閥を作って群れたり、学生時代のような馴れ合いを好む人も少なくありません。もちろん、業務に支障が出ない範囲であれば、それは気にする必要もないことでしょう。しかし、社内の馴れ合いの人間関係に合わせないことが遠因で、業務でも割を食ってしまうこともよくある話です。
もし、読者がそのような境遇に出くわしているのであれば、それは自分自身の仕事における対人関係の築き方や、自分自身の社内での在り方を見直すタイミングに来ているのかもしれません。
馴れ合いすぎては社内での規律や秩序は乱れてしまうものですが、逆に必要最低限のコミュニケーションがなければ仕事がやりにくいと感じる人だっています。また、馴れ合いの関係を好まない人は嫌われることを恐れないため、時に嫌な指示を出す必要もあるリーダーとしての資質を秘めているかもしれません。
職場の仲良しごっこに疲れてストレスを感じていたとしても、少し考え方を変えるだけで、自分の人生にとってプラスになることだってあります。
本記事では、職場の仲良しごっこが気持ち悪いと感じてしまう原因や心理、また職場で馴れ合いの関係が生まれてしまう原因を解説した上で、そのような状況にどう立ち向かうべきかの対処法も合わせてご紹介していきます。
仲良しごっこの職場の特徴:関わるとなぜか疲れる馴れ合いの関係とその心理
仲良しごっこの職場にいると、どうしてこうも疲れるのでしょうか?
また、職場での馴れ合いの関係は果たして会社にとって良いものなのでしょうか?
ここでは仲良しごっこの職場の特徴を紹介しながら、そこに潜む職場の問題点や、馴れ合いの関係に嫌悪感を抱く人の心理も、合わせて解説していきます。
人の好き・嫌いで物事を判断する人物がいる
人間、誰しも大なり小なり人の好き・嫌いや合う・合わないはあるものですが、馴れ合いの激しい職場では
- 自分が好きな人を露骨にひいきする上司や先輩がいる
- 自分が嫌いな人物に情報共有をしないで不平等が生じる(仕事を教えないなど)
- 嫌いな人物に過剰な叱責や説教を行う人物がいる
- 好きな人物・嫌いな人物とで露骨に態度を変える社員がいる
など「特定の社員と仲が良いかどうか?」「相手が好きか嫌いか?」が仕事の進歩に大きく影響します。
このように職場内で過度に馴れ合いが生じ「社内派閥」ともいうべき状況が形成されていると、たとえば、何か職場内で問題があった際に、当事者全員の言い分を聞くことをせず、お気に入りの社員の言い分のみを聞き入れて判断するなどの状態が生じ、公平性が損なわれます。
ひどい場合には、社内で好かれている人物が事実無根の誹謗で気に食わない人物を貶めるなど、不当に他者の評価を下げようとする場合もあります。そういった際にも、人の好きか嫌いで物事を判断していると、公平な判断ができない要因となってしまうものです。
仕事の評価基準が「上に気に入られているか>成果や実力」
人の好き嫌いで判断する組織において、当たり前のように定着している文化として「仕事ができるかどうか(成果や実力)よりも、上に気に入られているかどうかがすべて」といった価値観があります。
日々、上司の機嫌を損ねないように上手く立ち回っている人物や、上司が明らかに間違った方針を取った際にも否定せずにYESという人物が、本当に仕事ができて売上に貢献できる人物よりも評価されるといった具合です。
また、上司が「残業することこそやる気があって仕事のできる証拠」という価値観の場合、決められた時間内に仕事を手際良く終わらせる人物より、わざとダラダラ残業する人物が高く評価される…など。
「ルール」ではなく「お気持ち」で仕事が進む
本来、会社や組織というものは「社内規則」「法律・契約」などのルールに準じてシステマチックに動くものです。
一方で、仲良しごっこのひどい会社では「ルールよりもお気持ち」で物事が動くことが多いです。
たとえば、社員が退職したいと申し出た場合に、社内のルールや法律・契約書解釈に則って淡々と退職手続きを行うのではなく「今辞めるのはみんなに対する裏切りだ」「これまでの恩を忘れたのか?」など、感情論を持ち出すといった例です。
業務や成果に対するフィードバックや意見が建前やお世辞ばかり
馴れ合いの関係になんとも言えない気持ち悪さを感じる理由に「フィードバックや意見が建前やお世辞ばかりで薄っぺらいから」というものもあるかもしれません。
たとえば、クリエイティブな仕事で成果物をレビューしてもらってる際に「いいね」「すごい」というフィードバックをもらったとしましょう。本人は「より良い物を作る」ことを目的としているのに、毒にも薬にもならない褒め言葉をもらったところで、何ら生産性がありません。
むしろ、互いに切磋琢磨し合える関係やチームでより良い物を生み出すためには、適切な批判や意見が求められる場面もあります。
職場の人間関係のみならず、趣味やサークル活動でも馴れ合いや内輪ノリを苦手とする心理には、こういった「切磋琢磨し合える関係を望んでいるにも関わらず、当たり障りのないことしか言い合えない」という嫌悪感があるかもしれません。
プライベートへの干渉が激しい、公私/自他の切り分けができてない人がいる
職場の仲良しごっこが生理的に気持ち悪いと感じる理由に「プライベートへ干渉されることへの嫌悪感」があるかもしれません。
多くの人が、自分の生活を維持するために仕事行っており、必ずしも「仕事のためならプライベートもすべて犠牲にできる」と考えているわけではありません。また人間関係においても、仕事とプライベートで明確に線引をしている人とそうでない人、どちらもいます。
仕事とプライベートに一定の線引を置いている人にとっては、仲良しごっこの職場も以下のような理由で苦痛に感じることが多いかもしれません。
- 勤務時間外の飲み会や交流会が頻繁に行われ、参加を半強要する雰囲気が苦手
- 勤務時間外の連絡対応や勉強などが半必須の雰囲気によりプライベートを侵略されているように感じる
- 仕事に直接関係のない、プライベートな家庭や恋愛、趣味の話を根掘り葉掘り聞かれるのが苦痛
- 社内の他人のゴシップ話で盛り上がるのが嫌い、自分がネタにされることに嫌悪感がある
なお、昨今では上記のような言動は度がすぎるとハラスメント行為に当たるとされることも増えていることからも、仕事において他者のプライベートへ過度に干渉する言動を侵害行為と迷惑に感じている人が増えている背景も見えてきます。
価値観の押し付けが激しく、考えの合わない社員に排他的
仲間意識の強い集団やコミュニティでしばしば生じるのが「自分たちと同じ価値観でなければいけない」といった脅迫観念のようなものを押し付け、それに合わない人物に対して異様に排他的になったり攻撃的になるといった現象です。
たとえば、仕事に対する価値観について話す際に、少しでも価値観が異なると「君は考えが合わない」「君はうちの会社に合わない」と決めつけ、敵のように扱ってくるといった例です。
ここまで極端になると「仲良し」「チームワーク」というより、単に「自分に合わせない奴は敵、合わせる奴は味方」と、個人的な感情や価値観で対立構造を生み出しているだけとしか言えないでしょう。
無言の同調圧力で意見が出しにくい雰囲気がある
普段から和気あいあいとしている雰囲気の職場では、ついつい「自分も合わせないと…」と感じ、いざトラブルや問題が置きたときに相談しにくかったり、周囲と対立するような意見が出しにくいことがあります。
また、とくに意見がなく淡々と仕事を進めたい場面でも、会議やミーティング参加をさせられて「何か言わなければならない雰囲気」「周りと同じことを言わないといけない雰囲気」を強要されるといったこともあります。
仲良しごっこの職場では、雰囲気が良いばかりに「誰も必要な時に言いにくいことは言わない」「言いにくいことを言った人物が悪者扱いされる」といった同調圧力のようなものが生まれ、変に気を遣って疲れる場面が増えることがあります。
愚痴や不満が多く対人関係のストレスが多い
最後に、仲良しごっこの職場や馴れ合いの関係にくだらなさを感じたり、疲れる理由として挙げたいのが「表面上は仲が良くても、裏では不満や愚痴ばかり」という実態の方が多いからでしょう。
というのも、表面上の付き合いを維持するために、裏ではグループ内の誰かの愚痴や不満を言いながら、表では決して本人に言わない姿勢は、傍から見れば「だったら、無理して仲良くしなければいいのでは?」としか感じません。
また、そういった愚痴や不満は、得てして関係ない人物を巻き込みがちです。たとえば、社内の仲良しグループ内の誰かを貶めたり悪者にするような言動をまき散らすことは、本人のその気がなくても他人に余計な気をつかわせたり、他者の心象を下げる行為に他なりません。
本来、そういった飲み屋で吐いておけば済む愚痴に、社内の人間を巻き込む輩が現れることからしても、水面下で愚痴や不満を生むような仲良し関係は「そこまでして無理に仲良くする必要ある?」と疑問を抱かずにはいられません。
仲良しごっこの職場で働き続けるとどうなる?その末路とは?
仲良しごっこの職場が持つ表面的な和気あいあいとした雰囲気は、時として会社にとっての大きな問題を引き起こすことがあります。このような職場文化は、短期的には平穏を保つかもしれませんが、長期的には会社の発展や成果を阻害するリスクが増大します。
具体的にどのような問題が浮上するか、以下の5つのポイントで詳しく見ていきましょう。
- 意思決定の遅れ:
みんなで一致団結することを優先するため、迅速な意思決定が難しくなることが多い。 - イノベーションの欠如:
新しいアイディアや意見が言い出しにくい環境では、会社としての革新や進化が鈍る。 - 人材の流出:
本音を言えない環境や圧力に疲れた優秀な人材が、他の企業へ移動してしまうリスクが高まる。 - 業績の停滞や低下:
効率的な業務遂行が妨げられることで、会社全体としての業績に影響が出ることがある。 - 内部の摩擦やストレスの蓄積:
表面上は平和でも、内部での不満やストレスが蓄積され、結果として職場の健康やモチベーションを低下させる。
仲良しごっこの職場文化の背後には、これらのような企業の大きな問題が潜んでいることがあるのです。従業員の幸福や企業の発展を真に考えるならば、この問題を早期に察知し、適切な対策を講じることが必要です。
会社の馴れ合いの対処法とは?どうすれば改善できる?
以上のように筆者は「職場の馴れ合いなんてくだらない」と考えていますが、あくまで考えているだけであって、最低限合わせるべき部分は合わせてます。
…多分、この「くだらないと思いながらも合わせている」というパターンの人の方が、圧倒的に多いのではないでしょうか。
協調性とか鼻で笑いながら「合わせてやっている”フリ”」だけしておくのが、一番かしこい処世術です。
仮に自分に協調性がないと感じていたり、職場の馴れ合いが気持ち悪いと感じている人は「協調性のある”フリ”」を身につけておくといいでしょう。
面倒事は「断り方」「受け流し方」を知っておこう
「協調性」「馴れ合い」は、時に「面倒事の押しつけ」「ありがた迷惑」にしかなりません。
しかも、本人は「その人のためになる」「”良かれ”と思ってやっている」から、タチが悪い。
そう、協調性や馴れ合い好きは決して”悪意”があるわけではないのです。
もっとわかりやすく言えば「自分も楽しいから他人もそうだろう」「自分も助けてるんだから、他人に助けられて当たり前」と本気で思い込んで親切だと思いこんでいるから、話がややこしくなるのです。
ここまで言えばわかるでしょうが「相手の親切心は否定せずに、断る」という立ち回り方が一番スマートでしょう。
無駄な仕事の断り方→「別に引き受けてもいいんですが、少しは〇〇さんの方でもやってもらわないと、自分のためになりませんよ?わからないことがあれば手伝いますから、まずは自分でやってみてください」
プライベートの話の受け流し方→「そういう話は今度、飲み会の時にでも腹を割って話しましょう(飲み会にはもちろん参加しない)」
「恋人がいるか?」どうのこうの→「いえ、最近上手く行っていないんですよ…(察してオーラ全開)」
要は「論点を反らす」「話には乗るけど答えは返さない」「問題を先送りする」と、バカ正直に答えを返さないことを意識すればいいのです。
つまり「YESかNO」ではない、別の選択肢を提示しておけばいいわけですね
さらに大事なのは「話を振ってくれてありがとう」「頼ってくれてありがとう」という態度を崩さず、相手をしっかり立てておくことも大事。
割と、協調性大好き人間は「頼ってるのにあの態度は何?」「誘ってるのに感じ悪い」と、自分のお節介に気づいていないので。
馴れ合いや協調性がくだらなく感じる気持ちはわかりますが、かと言ってわざわざ敵対するのもスマートとは言えないので、程よい距離感を保つことを意識しましょう。
あえて「嫌われる覚悟」を持って仕事の臨もう
ネットではよく「嫌われてもOK」「批判される覚悟を持て!」なんて言いますが、日本の組織で生きていくためには、そんなことをマジでやってしまうと不遇な目に遭うのは明らかです。
ですが「嫌われる覚悟」を持って仕事に臨むことで、意志の強いリーダーとして成長できる可能性があることも事実です。
ですので、心底協調性や馴れ合いが嫌いだと感じるのであれば、嫌われる覚悟で我を通すのもありでしょう。
ただし、これは上司や経営陣が味方になってくれる場合のみ、とるべき選択肢です。
ついでに言えば、ちゃんと自分の仕事がこなせることも前提。
残念ながら、日本には「出る杭は打たれる」という言葉がある通り、いくら仕事が出来て優秀な人間でも、周りに嫌われたら足を引っ張られる可能性が上がります。
関連:優秀な人はなぜ嫌われる?会社で嫉妬されやすい・恨みを買いやすい人の特徴とは?
なぜそうなるかというと、集団から抜きん出た存在が出ると、以下のような心理が働くから。
- 「自分と同じ」と思ってた人間が抜き出ると「裏切られた」と思い込む人が出てくる
- 「自分より下」と見下してた人が実際に上だと、嫉妬心や劣等感が働く
- 部下が昇進すると、危機感を覚える上司や先輩もたくさんいる
…と挙げてみるとわかりますが、実は仕事において「協調性」「馴れ合い」なんて、実は裏切り・嫉妬のリスクがあるから、みんな「協調性が大事!」なんて言っていることがわかってくるのではないでしょうか?
つまり、協調性や馴れ合いを否定し、出世や昇進を志すのであれば、敵をつくることは当たり前だと意識しておかないといけないわけです。
少なからず、協調性を否定して上に上がろうと思うのであれば「仲良しではいられなくなる=仲間は敵になる」ことを、意識しておかないといけないのです。
馴れ合いにうんざりしているのは意外と当たり前だった
ここまで説明すればわかりますが「職場の馴れ合いがくだらない」「協調性とかくだらない」というのは、割とみんな思っていることです。
なぜなら、人は変わり続けて成長していく生き物だから。
協調性とか馴れ合いを重んじて、大して変化もない集団で生きていくことは、すなわち変化を否定することにもつながります。
もっとわかりやすく言いましょうか。
いつまでも学生のノリで仕事していたり、仲良しこよしでいられるわけもないのです。
少なからず、協調性の裏にある陰湿な嫉妬心・劣等感、あるいは裏切りの可能性を頭に入れておくことこそ、真の”大人”だと言えるでしょう。
そんなことにも気づかず、和気あいあいと馴れ合いに浸っているのは、現実の見えていない証拠。
ただし、それを表に出せば敵を作りかねないことも確かなので、協調性を否定するのであれば「表向き協調性のある自分」を演じておきながら、裏ではこっそり根回ししておくのが大人の処世と言うものでしょう。
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職場の仲良しごっこに疲れたなら、馴れ合いのない会社に転職することも検討しておく
職場の仲良しごっこや馴れ合いが生まれる背景には、組織風土や会社の方針として、
- 実質的な仕事よりは協調性や連帯感を重視する社風である
- 独特の内輪ノリや暗黙の了解があり、馴染めない社員に対して排他的
- 仕事での成果や目標よりも、同調圧力やチームワークを重視する
など、総じて言えば「周りと仲良くする協調性>仕事内容や成果」という評価基準や社風が強いからであると考えられます。
こういった職場では、黙って淡々と仕事をこなす社員が正当に評価されないリスクや、孤立してしまって平等に仕事の機会を与えられないなど、今後も様々な問題を抱えることとなります。
もし、職場の馴れ合いが気持ち悪いと感じており、なおかつ仕事でも支障が出ていると感じているなら、過度な馴れ合いがなく業務に集中できるような職場環境を用意してくれる会社に転職することを推奨します。