就活アピールの問答でよく「仕事なんて金のためでしょ?しょーもない建前語ってどうなんの?」という類の話が話題になりますが、それもまた一つの事実です。
で、バカ正直に「お金のためにここで働きたい!」と言うと、落とされます。
私も、昔は「なぜ?」と本気で理解できませんでしたが、最近色々と心境が変わって「あ、そういうことね」と腑に落ちたので、書き記しておきます。
お金はただの演算結果であり数字である
お金はただの演算結果であり、数字でしかありません。
私の場合「経済がこういう風に動いていて、市場原理がこうなっていて、ビジネスとしてこういう需要があり、取引契約としてこの業務範囲と成果に対して報酬が支払われ、取引先の経理を通して銀行口座にお金が振り込まれる」という流れや全容を知った時点で、割とお金自体はどうでもよくなっています(しかも学生時代の段階で)。
上記を理解しておけば、本人の能力とか努力とか、割と小さな要素でしかありませんから。
時給あたり数十万円クラスの人間と、時給500円以下の人間の何が違うかと言うと、単に「時給を決めるための超複雑な計算式が違うだけ」なのであって、本質的な人間の価値や仕事の価値には何の影響も及ぼしません。
「稼げるか?稼げないか?」とか「どっちの収入が上か?」とか、そんなものは「数学の方程式のxに何を当てはめるか?」と不毛な議論をしているようなものです。
お金はただの演算結果であり数字である
お金はただの演算結果であり、数字でしかありません。
これはたとえば、二次元萌えキャラの絵で考えるとわかりやすいでしょう。
二次元キャラの絵は、ただのビットマップ毎に色データが当てられたデータでしかありません。
よりわかりやすく言うと「モニタ上のどの座標に、どの色を割り当てるか?」という指示を通し、あなたの見ているモニタに表示されるのです。
そして、それに恋愛感情はおろか、歪んだ愛や性欲を覚える人間もたくさんいるのです。
これは何も、二次元キャラだけではありません。
芸能人などの実在の人物も同じことです。
お金も同じことが言えます。
あなたが一定時間働くことで、会社の経理の人が計算して銀行相手に手続きして、あなたの口座の数字が書き換えられるのです。
その書き換えられる数字の額も、市場・経済が大半の影響を占めており、あなたの努力とか人間性とか能力なんて、ちょっとの影響しか与えていません。
にも関わらず、我々はお金に心を支配されているのです。
お金のために働くのは、本質的にはモニタ上の二次元キャラや芸能人のために働くのと同義です。
つまり、お金のために働くこととは、誰かが作った数式の中でもがくだけの人生を意味し、一生「課題を与えられるだけの存在」であり続けるしかないのです。
人はそれを「奴隷」と呼びます。
仕事もお金も「殺してでもうばいとる」
仕事もお金も、原則的には「他人から奪い取る」ものです。
我が国では「人材不足が~」だの言われてますが、人気の稼げる仕事に関しては「お前の席、ねえから!」って感じね。
ま、たとえば高収入のイメージの強い弁護士とか、実態は年収100万以下のワーキングプアもいる始末です。
なぜそんなことになるかと言うと「他の優秀な弁護士がいい仕事を引き受けるから」です。
で、ヤる気のないザコとそのお仲間はワーキングプア。
「社員の幸せのために!」とかキレイゴト抜かしておきながら、社員をロクに食わす給料も払えない経営者なんて、みっともないし情けないですよね。
これが残酷なまでの、市場原理。
仮に「お金のために働く!」と言って会社に志望するのであれば、学生時代にどれだけガメつく稼いだか、手土産を持っていかなければならないわけです。
たとえば、学園祭の模擬店で一番いい立地を確保、学園市の美人を客引きパンダとしてヘッドハンティング、事前に競合模擬店として進出して来そうな店はやる気がなくなるように叩き潰し「この学園祭で一番稼げるのは、このオレだけだッ…!」ぐらいの意志があって、初めて「お金のために働く」と言えるわけですよ。
それが「有名大卒だから高年収もらって当たり前!」とか「この業界なら稼げそうだと思ったからです!」とか「この資格持っていると給料上がると思いました!」とか、逆説的に「私はお金に対する意識のないバカです」と言っているようなもの。
つまり「口先だけで、行動が伴っていない」ってヤツね。
…で、そこまで金にガメつい奴なんて少数派なので「お金のために働く」なんて大ウソを面接の自己アピールにしちゃうのは「そりゃ、悪手じゃろ…」と言われているです。
そんなに「お金が大事」なら世界一の億万長者になる方法を教えてやるよ!
それでも「お金のために働きたい」と言うなら、バカでもわかる「世界一の億万長者になる方法」を教えてあげます。
- 経営者になって日本の全企業M&Aで買収、経済界の頂点に君臨する
- 経済大国アメリカをぶっつぶすために、日本の憲法改正、国民全員に兵士になって会社のために死んでもらうように調教
- 自社で核保有、他の国に核を廃棄させる
- 以上の状態で、他の人間から逆らう気力を奪う
- 自分の会社で世界中の貨幣の99%以上を保有する
- その会社内で、自分だけが99%以上の資産を保有する
- 残りの人民には0.01%以下の配分で我慢して暮らしてもらう
これが世界の、そして人類の頂点に立つということです。
そして、あなた以外の人民が勝手に貨幣通貨作って、あなたの保持する通貨価値は0に暴落、あなたは世界一の貧乏人となって、今まで虐げられた人々にリンチにあって死んだとさ。チャンチャン。
そもそも「お金は自分のものじゃない」
そもそも、私の解釈では「お金は自分のものじゃない」という感じです。
冗談抜きで今まで「なんか気づいたら口座にお金が増えてた」以上の感慨を持ったことはありません(振込先相手がナメた仕事してないか、確認はするけど)。
こんなこと言うと他人にナイフで刺されかねないかもしれませんが「お金のありがたみ」ってヤツが、いまいちわからないんですよ。
「別にお金なくなって人生詰みゲーになったら、潔く死ねばいいじゃん。別に最低限文化的な生活をする保証も、自殺する自由もあるんだし…」
前述の通り、お金はただの複雑な計算式による演算結果でしかなく、自分が与える影響とかせいぜい「こんな経歴があって、こんな資格を持ってて、たまたまいい会社に採用されて、運良く昇給した」程度なので、実質的な自分の影響力は本当に微々たるものです。
むしろ、口座の額がゼロ以下になったら「やったね!また働く理由が出来たよ!」と喜ぶ類の人種なので「本気で仕事しているのに、1円も稼げないような地獄こそ、オレの生きる場所だ!」と、渇望し続けているんですよ。
にも関わらず、現実の仕事って適当に手を抜いても時間あたりで給料もらえますし、上の人間が無能で責任をとりたがらない責任者であっても役員報酬数千万だかもらえるんですよ?
こんなにバカげたことはありません。
モンハンで言えば、ベースキャンプで寄生して強い味方にモンスター倒してもらうだけでクリアしちゃうぐらい、つまんないしバカげてます。
で、最終的に行き着いた結論は「あ、この金自分のものじゃない」という答えです。
もっとわかりやすく言えば「お前にこれだけお金やるから、もっと上手く使ってみろよ?」と試練を与えられているだけなのです。
これが私の言うところの「機械に自我が芽生えた瞬間」のことですね。
関連:機械のような性格の私が感情と人間性を取り戻した結果…【AIと化した私から人間への挑戦状】
お金がもたらすものは「自由」ではなく、ただの「呪い」です。
稼いでしまった申し訳なさから、さらなる高みを目指さないといけないという、とんでもない呪いなのです。
お金を稼ぐなら、罪の意識を持て!
お金を稼ぐことって、それすなわち「罪」を意味するんですよ。
稼いだら稼いだ分だけ、誰かを傷つけ、誰かに嫌な思いをさせ、誰かの取り分が減る。
こんな行為、世界一お金に興味のないニートの私からすれば、これは「罪」としか感じません。
「しょぼい仕事だとわかっているのに、給料はもらう」という意識で生きている人の中で、まったく罪悪感感じないとか、マジでメンタル強いなと尊敬します。
たとえば、不正だらけのクソみたいな職場で「自分の生活のためだ…」と不正を容認、その結果、その不正のせいで死亡事故起きたら、結果的にその社員が人殺しに関与しているんですから。
あるいは、ブラック企業で働いて不条理を受け入れ、ブラックな実態を助長させた結果、後輩が過労死した場合も、人殺しに関与しています。
「仕方なかったんだ、オレだって自分の生活のためにはああするしかなかったんだ…」
犯罪者は、いつもこういう言い訳をします。それと同じで、この世で自分が納得できない形でお金をもらっている人は、もっと罪の意識を持ってください。
私もまあ、世の中のことが少しはわかってきたので「生活のためなら、仕方ないよなぁ…」とは思いますよ。気持ちも立場もわかります。
でもこれだけは言いたい。
稼ぐ力があるのであれば、もっと上を目指せ。そして、もっと人の役に立て。
私もニート期間という許されざる罪と、ネットで楽して儲けるという罪の贖罪のために、もっともっと仕事に呪われ続けたいと思います。おしまい。