突然ですが、自分、スポーツ好きなんですよ。
自分で言うのも難ですが身体能力は高く、反射神経にも優れ、体を動かすことが大好き。
学生時代は運動部、トップアスリート目指してた時期もあるし、プロスポーツにも詳しい。
しかし、そんな「スポーツにすべてを捧げた経歴」だと仕事選びに苦労するんですよね。
面接でも「スポーツしかできない人」「頭を使う仕事が苦手そう」と思われて落とされることも…。
だいたい、学生時代は運動部で活躍した人は推薦も受けられて優遇されたのに、社会に出た途端に体力や運動神経がまったく評価されなくなるのって、理不尽に感じませんか?
求人を見ても、難しそうなスキルや専門用語ばかりで、ちっともスポーツ好きの強みが活かせないじゃないですか?
これって変だと思うんですよね。
プロ野球の大谷選手は大企業レベルの年俸をもらってるのに、その他のアマチュアアスリートやプロスポーツ選手になれなかった人はまともな仕事に就けない…。
そんなのおかしいじゃないですか?
そう思ってスポーツ好きな人に向いてる仕事を調べまくったら、意外とスポーツ経験を活かせる職業がたくさんあるって気づいたんです。
この記事では、そんな「スポーツ好きであることがプラスに評価される仕事」の数々を紹介していこうかと思います!
スポーツが好きな人の特徴 ~欠点と強み~
向いてる仕事の紹介の前に、まずはスポーツが好きな人の特徴について紹介していきます。
スポーツが好きな人の欠点
- 学生時代からスポーツに打ち込みすぎて、スポーツ以外のキャリアの選択肢を用意していない
- 運動神経は良く体力もあるが、勉強や頭脳労働は得意でない
- ビジネスとしてのスポーツ産業への理解に乏しく、求人情報を判断できない
- スポーツ関係の仕事に固執するあまり、他の選択肢を見落としがち
ついつい他人と比べてしまったり、合わない仕事を無理に続けていると、こうした欠点が気になってしまうもの。

この仕事向いてないのかなぁ…
仕事が上手くいってないとネガティブな考えになり、こんな風に悩みがち。
しかし、自分の欠点に気づけるというのは実は優秀な証拠。
なぜなら、欠点を克服することで人は成長できるものだからです。
世の中には、自分の欠点にすら気づけず、他人の文句ばかりの人が圧倒的多数。
そういう人は、流されるままに与えられた仕事をこなすだけで、不満たらたらで人生を終えるだけ。
しかし「今の仕事、本当に向いてるのかな?」「もっと合った天職があるのでは?」と考えられる人は違う。
より良い働き方を見つけ出し、自分だけの人生を創り上げることができます。
そのためには欠点ではなく「自分の中の隠れた強み」を自覚する必要があります。
スポーツ好きの強み
▼スポーツ好きが持つ意外な適性
- 高いストレス耐性
健全な心身を持つ、競争にも耐えられる、集団行動が苦にならない、規則正しい生活を維持できる、体調管理ができる、仕事と運動を両立できる、目標達成意識がある - スポーツ経験者への理解
スポーツに関する知識が豊富、保健体育に関する基礎知識がある、スポーツ経験者やファン心理に詳しい
こうした強みを活かすことができれば、
- 仕事が苦でなくなり楽しく感じる
- 活躍でき一目置かれ評価も上がる
- 収入が増えて余裕もできる
- 気の合う仕事仲間が増え人間関係も良好に
など「幸福のスパイラル」とでも言うべき状態になります。

なんかうさんくさいかも…
「そんなの信じられない!」と疑う人もいるでしょうが、仕事も人生もがうまくいってる人ほど、こうした”キャリアの真理”にたどり着いています。
そのためには「自分の強み」…つまり「適性」「才能」「可能性」と呼ばれるチカラを発揮できる仕事に就くのが最善の道です。
スポーツが好きな人に向いてる仕事
この記事にたどり着いたのも、何かの運命。
あなたがまだ気づいてない「自分だけの強み」を引き出せる職業を紹介していきます。
スポーツが好きな人に向いてる仕事や業界は、大きく分けると以下のような方向性に分かれます。
- 実業団(社会人スポーツチーム)のある企業に就職して働きながら競技に打ち込む
- スポーツ好きの熱意や知識を活かしてプロスポーツ業界に関わる
- プロスポーツ選手や趣味でスポーツを行う人を支える仕事に就く
- スポーツ経験や知識を活かしてスポーツ用品を企画・開発する仕事や販売する仕事に就く
ここから解説する文章には「業界名」「企業名」「職種名」など数多くのヒントを散りばめているので、ぜひ、読者の皆さんが気になったものを求人検索時にとくに注目して見るようにしたり、転職サービス活用時に希望する業種・職種として参考にしてみてください。
実業団を運営する一般企業で働く
学生時代に部活などでスポーツに打ち込んでおり、社会人になった後も競技を続けることを重視したいなら社会人スポーツ(実業団)に取り組む一般企業に所属して働くのが有力候補です。
実業団(じつぎょうだん)とは、企業や組織が運営するアマチュアスポーツのチームまたは団体を指す言葉です。日本の企業や公共機関、学校、団体などが従業員や部員などからなるスポーツチームを組織して、競技活動を行っています。
実業団の目的は、従業員や部員の健康促進や交流の場を提供すること、スポーツ活動を通じて企業や組織のイメージアップや広報効果を得ること、さらには競技力の向上やスポーツ大会での成績向上を図ることなどです。
実業団は様々なスポーツ競技において活動しており、野球、サッカー、バスケットボール、バレーボール、陸上競技、水泳など多岐にわたる競技があります。一部の実業団は、プロフェッショナルリーグに参加している場合もありますが、一般的にはアマチュアのスポーツ活動を行っています。
毎年、正月にテレビで中継される「全日本実業団対抗駅伝競走大会(駅伝)」によって、陸上競技の実業団は知っている方は多いかもしれません。
有名な陸上競技実業団企業は「旭化成」「ヱスビー食品」「トヨタ自動車」「中国電力」「コニカミノルタ」「天満屋」などです。他にも「ALSOK綜合警備」「しまむら」「第一生命」「大塚製薬」「TOTO」など、名だたる有名企業が陸上競技の実業団を編成しています。
他の競技では、スキーの実業団を持つ「雪印メグミルク」や、ラグビーチームを持つ「パナソニック」「神戸製鋼所」など、意外と多くの大手企業が実業団を編成しているものです。
社会人になってもスポーツ競技を続けて仕事で活かしたいなら、実業団のある企業に就職するのが1つの手でしょう。
プロスポーツ業界に関係する仕事で働く
スポーツ好きな人にとっては、プロスポーツに関わる仕事に就くのが夢な方も多いことでしょう。
「プロスポーツ」と言うと真っ先にイメージするのが、実際に競技を行う「プロスポーツ選手」ですが、実際には選手を支える「スポーツチームスタッフ」など、数多くの裏方仕事を担当する人や会社がいて成り立つものです。
例として、国内でも最も盛んなプロスポーツである「プロ野球」の中でも最大の利益を誇る「読売ジャイアンツ」から、プロスポーツのビジネスモデルや関係する会社について見ていきましょう。
プロスポーツチームの代表的な収入源は、スポーツ中継時の「広告収入=スポンサー契約」となりますが、読売ジャイアンツは以下の企業とスポンサー契約をすることで、広告収入を得ています。
画像出典:スポンサー・法人契約 | 読売ジャイアンツ公式サイト ※2023年5月29日のもの
これらのスポンサーと契約を交わすための仕事や、広告表示される東京ドームとの交渉や調整を行う仕事、つまり「プロスポーツをビジネスとして成り立たせ利益を出すための仕事」が、選手やプロスポーツチームとの契約や調整を担当する「スポーツエージェント」であり、競技会場探しから手配、放送先となるテレビ局と交渉するのが「スポーツプロモーター」と呼ばれる職業の役割となります。
人気プロスポーツ選手ともなると、芸能人やタレント業としての側面もあるので、テレビ出演やCM契約などの交渉から海外遠征のためのビザ取得などプレイ以外のあらゆる面でのサポートを行う「スポーツ選手マネージャー」がつくこともあります。
他にも、読売ジャイアンツには「オフィシャルマーチャンダイジングパートナー」として、球団公式のファングッズの企画~制作~販売まで一括して行う「ファナティクス」という会社が関わっていたり、配信事業では「オフィシャルプレミアムスポンサー」として「DAZN」という会社が関わっていることが見えてきます。
また、このような裏仕事やプロスポーツ選手・チームとの細かな交渉や調整を行うプロモーション会社や代理店のような会社も存在し、たとえば「ジャパン・スポーツ・プロモーション」という会社では、サッカー選手のエージェントからイベント企画まで行っていることが見えてきます。
なお、プロスポーツ業界は「興業(こうぎょう)」に含むものと考えられます。興業とは、商業的な目的でエンターテイメントやイベントなどの娯楽活動を企画・制作・提供し、収益を生み出す活動を指します。楽ライブ、スポーツイベント、劇場公演、映画上映、テーマパーク、展覧会、祭り、コンサート、サーカスなど、さまざまな形態のエンターテイメントやイベントが「興業」となります。
読売ジャイアンツの例からもわかる通り、興業としてプロスポーツをビジネスとして成り立たせるために、プロスポーツ選手以外にも数多くの企業や職業の人が関わっていると知ることで、プロスポーツに関われる仕事の多さが見えてくることかと思います。
ただ、プロスポーツに関する仕事や会社は複雑でわかりにくいことも多いため、求人サイトで地道にプロスポーツに関する業務を行っている会社を見つけたり、転職エージェントでスポーツ関係の仕事に詳しい担当者を見つける努力が必要となるでしょう。
スポーツ用品メーカーで働く
スポーツに関する製品を提供する「スポーツ用品メーカー」に勤務するのも、スポーツ好きな人が適性を発揮できる可能性の高い選択肢の1つでしょう。
スポーツ用品メーカーには、海外企業でスポーツ用品全般を取り扱う「Nike(ナイキ)」「adidas(アディダス)」「PUMA(プーマ)」「UNDER ARMOUR(アンダーアーマー)」、シューズ中心の「new balance(ニューバランス)」などがあります。
国内企業ではランニングシューズの「asics(アシックス)」や「mizuno(ミズノ)」、スポーツウェアの「DECENTE(デサント)」バトミントンやテニス用品の「YONEX(ヨネックス)」、ゴルフ用品の「ダンロップ(現:住友ゴム工業)」「ブリジストンスポーツ」などが有名です。
スポーツ用品メーカーの仕事内容は、理工系の経歴や知識を駆使して製品の研究開発を行う「スポーツ用品開発担当者」から、商品の流通から宣伝などのマーケティング活動に関わる「スポーツマーケティング担当者」などの職種がありますが、会社によって呼称が変わるため求人検索する場合には注意です。たとえば、スポーツ用品のマーケティングに関する仕事でも、単純に「企画職」「広報部」などと呼んでいる企業もあります。
一部のメーカーでは、有名スポーツ選手やチームとスポンサーシップ契約を結び、彼らの意見やフィードバックを取り入れながら製品を開発することもあるため、スポーツファンにとってはやりがいのある仕事だと感じるかもしれません。
また、スポーツ用品メーカーの発注先となる会社や工場などには、プロ野球選手が使用する「バット職人」「グラブ職人」、プロテニスプレーヤーの使うラケットのガットを張る「ガット職人」などの職人もいます。
スポーツ用品メーカーの国内市場規模は1兆1,326億円とそこそこの大きさで、その分、関係する会社や仕事は様々なものがあるので、スポーツ好きな人にとって向いてる仕事を見つけられるチャンスは大きいと言えるでしょう。
スポーツ用品販売店で働く
アルバイトから未経験の店長候補としても就職しやすいのが、スポーツ用品販売店店員として働くという選択肢です。職業名としては「スポーツショップスタッフ」と呼ばれることもあれば、単に「販売員」「小売勤務」となりますが、広い意味でスポーツ業界に関われる職業であることは間違いないでしょう。
スポーツ用品専門店として有名なのは「スポーツオーソリティ(運営会社:メガスポーツ)」「スポーツデポ、(運営会社:アルペン)」「ゼビオスポーツ」「ムラサキスポーツ」「ヒマラヤ」、登山・スキーなどのアウトドア用品に強い「石井スポーツ」、ゴルフ専門の「ゴルフ5」などもあります。
また、前述のスポーツ用品メーカーが直営店として自社ブランドを専門に販売している店舗もあります。例としては「Nike Store(ナイキストア)」「adidas Store(アディダスストア)」などです。
スポーツ好きやスポーツ経験者が販売店で働くメリットとしては、スポーツ用品購入者の気持ちやニーズがわかるので勤務後もモチベーションが保ちやすいことや、取り扱い商品の機能を把握したり、各ブランドを使っている有名な選手を覚えるなど、販売員としての知識の吸収が期待できるといった点です。
メーカーが大卒以上の経歴を求めていることが多く就職難易度が高めなのに対し、販売員はアルバイトからでも就け、店長候補でも未経験からでも採用されることがあるので、現実的な選択肢として知っておいて損はないでしょう。
フィットネスクラブで働く(スポーツトレーナー、インストラクターなど)
町中にある「フィットネスクラブ」で働く「スポーツトレーナー」「スポーツ・インストラクター」と呼ばれる、スポーツや身体づくりに関するトレーニングを指導する職業もスポーツ経験者やスポーツ好きには向いてると言えるでしょう。
一般的に「フィットネスクラブ(スポーツクラブ)」と呼ばれる施設では、その活動内容や利用木は大きく2つに分かれます。
1つ目は、水泳・テニス・ゴルフのようにスポーツの技術の上達やスポーツそのものを楽しむことを目的とした競技別のスポーツクラブとして運営されている場合、2つ目は健康増進・体力の向上・ストレス解消などのためにスポーツや運動を楽しむフィットネスクラブの場合です。
フィットネスクラブで有名なのは「コナミスポーツ」「ライザップグループ」「セントラルスポーツ」「ルネサンス」「ゴールドジム」「エニタイムフィットネス」「ホリデイスポーツクラブ」などで、いずれも民間企業が運営してチェーン店舗を展開しているのが特徴です。
これらのフィットネスクラブは民間企業が運営しているため、必ずしもトレーナー・インストラクターだけでなく一般職となる営業や事務といった仕事も存在するため、運営企業の求人を見てみるとトレーナー以外でもスポーツに関われる職種が見つかるかもしれません。また、運営企業が大きめなため給料・待遇面でも悪くない条件の求人が多いです。
また民間企業以外にも、引退した元プロスポーツ選手が個人で運営するスポーツ教室であったり、自治体が運営するスイミングスクールやスポーツクラブなどもあります。
スポーツ医療に関する現場で働く
スポーツ医療は、スポーツに関連する怪我や疾患の予防や治療、リハビリテーションに特化した医療の分野です。プロスポーツ選手はもちろんのこと、趣味やプライベートでスポーツを行う個人が安全にスポーツに取り組めるようにすることがスポーツ医療の目的です。
予防策としては、適切なトレーニングやストレッチング、栄養管理、適切な装備の使用などが含まれます。また、競技中のけがや疾患の発生時に迅速かつ適切な応急処置が行うため、競技中に待機することもあります。
治療からリハビリ、予防の研究までスポーツ医療全般を行う人を「スポーツドクター」と呼びますが、スポーツドクターは「医師」に含まれるため、医療免許医師免許を取得する必要があり就職難易度は高めです。
また、スポーツ選手の身体づくりや健康面を「食事」でサポートする「スポーツ栄養士」という職業もありますが、こちらも国家資格となる「管理栄養士」「栄養士」が必須なので、就職難易度は高めと言えるでしょう。
一方で、スポーツ選手の筋力・パワー・筋持久力などのコンディション面の管理やサポートを行う「ストレングスコーチ」や、心理学を元にスポーツ選手のメンタル管理や目標達成のための手助けを行う「メンタルトレーナー」と呼ばれる職業は資格が必須ではないため、学生時代にスポーツや体育科に関する教育経験があれば就けるチャンスはあるかもしれません。